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第57話

Author: 森の小鹿
あまりの消費金額に、充は完全に凍りついた。

奈緒はこれまで、こんな派手な金遣いをしたことがなかったからだ。

生活はなるべく節約すべきだと、彼女はいつも微笑みながらそう言っていた。

倹約家でしっかりした妻だと、充はずっと安心していたのだ。

散財ばかりする美紀とは違い、奈緒は将来のために蓄える賢い女性だと思っていた。

カードを渡したのは、奈緒の堅実な性格なら使い過ぎる心配はないと信じていたからだ。

ところが今はどうだ。渡して1日も経たずに、驚くほどの額をあっさりと使われてしまっているのだ。

これでは、いくら青木グループでも持ち堪えられない。

充は即座に銀行に連絡し、そのカードの利用停止を命じた。

……

一方、仁哉が海岸に駆けつけると、美紀は全身濡れた状態で砂浜に力なく倒れていた。

しかし、仁哉はその光景を見ても眉をひそめるだけで、慌てる素振りはなかった。

「いつまで騒いでるんだ?なんでこんなことになったんだ?」

美紀は全身を震わせ、泣き出しそうな表情で唇を噛んだ。

「違うの、私じゃない……知らない男に海に突き飛ばされて、無理やり海の中に押し込まれてしまったの。も
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