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第175話

Author: 結奈々
柚香はそのとき、キッチンで忙しく下ごしらえをしていた。

細くてきれいな指で野菜を洗い、切っているのを見て、怜人は思わず隣に来て手伝い始める。ふと、胸の内が少し複雑になった。「このところ、ずっと自分で料理してるのか?」

「うん」柚香は頷いた。

「家政婦、頼もうか」

「いいよ」柚香はきっぱり断る。手際よく作業を続けながら、「これは成長するいいチャンスだし」

怜人「……」

怜人は彼女の手から包丁を取り上げた。「俺がやる」

「せっかく私がごちそうするって言ったのに、それじゃ意味ないでしょ」柚香は本気で彼をもてなすつもりだった。

「君の料理で命落としたくないしな」怜人は、柚香や真帆といるときは大抵こんなふうに言い合いになる。「安全のためにも、自分でやった方がいい」

柚香は呆れたように返す。「自分の料理なら安全って言い切れるの?」

「俺、一応調理師免許持ってるから」

柚香「え?」

最初は信じていなかった柚香も、彼が次々と見た目も香りも完璧な料理を仕上げていくのを見て、さすがに納得した。

怜人は出来上がった一品を彼女の前に差し出す。全身から自信があふれていた。「ほら、食べて
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