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第302話

Autor: 結奈々
「すぐ行くね」柚香は軽く服を整えて、そのまま外に出た。

彩乃が朝食を手渡す。柚香は「ありがとう」と礼を言った。

「昨日、久瀬社長と一緒に徹夜してたの?」彩乃が何気なく聞く。

「え?」柚香はミルクを一口飲んでから、「どういう意味?」と聞き返した。

「私が来たとき、久瀬社長がここから出ていくの見たの」彩乃はただの雑談のつもりで言う。「手に上着持ってて、シャツも着替えたばかりって感じじゃなくて、ちょっとシワがあったよ」

柚香は朝食を食べる手を止め、目が覚めたときに感じたあの匂いを思い出した。

――昨日、帰ってなかったの?

「どうしたの?」彩乃が聞く。

「たぶん様子を見に来ただけだと思う」柚香は少し気分が乱れていた。「寝るときもいなかったし、起きたときもいなかった」

遥真って、本当に矛盾してる人だと思う。

普段は冷たくしてくるくせに、裏ではこっそり優しくしてくる。

本当に優しいなら、どうして私を自由にしてくれないの。どうして私を解放してくれないの。

彩乃はうなずいたが、この話にはそれ以上触れず、別のことを気にした。「原稿、仕上がった?」

「うん、終わったよ」

短いや
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