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第9話

Penulis: あほう
詩葉は首を反らし、荒い呼吸を繰り返していた。

満たされない欲望に追い詰められ、もう限界寸前だった。

――道具を持ってくればよかった。

朝に発作を起こしたばかりなのに、まさかこんな短時間でまた再発するなんて思わなかった。

しかも場所が、社長の休憩室だなんて。

だがさらに予想外だったのは、蒼空本人が、外から入ってきたことだった。

ドアの開く音を聞いた瞬間、詩葉の心臓は喉元まで跳ね上がる。

――終わった。

こんな姿を見られたら、本当に終わりだ。

焦り、不安、恐怖。様々な感情が一気に押し寄せる。

詩葉は必死に立ち上がろうとした。

だが駄目だった。

脚に力が入らない。

その時、浴室のドアが開いた。

蒼空の高く引き締まった姿が、入口に現れる。

詩葉の頭の中が真っ白になった。

目が合う。

その瞬間、羞恥で死にたくなった。

「しゃ、社長……」

蒼空は上から彼女を見下ろす。

整った顔には何の感情も浮かんでいない。

だが彼女はその鋭く深い視線に、全身を見透かされている気がした。

まるで見えない手で、全身を撫で回されているみたいに。

詩葉の頬は熱を帯びる。今すぐ
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