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episode2

Auteur: 朱音小夏
last update Date de publication: 2026-07-27 11:35:36

「お世話って何?」

「美幸、家事得意でしょう?あの子達、生活力皆無だからお世話してほしいのよ」

「......そう言う業者に頼めば良いんじゃないの?」

「それも考えたんだけど......。あまりアイドルの私生活を一般人に見せたくないのよ」

「オレも一般人ですけど?!」

美幸の言葉に喜子は「まぁまぁ」と言い、「でもあの子達と会ったことあるでしょ?」と続けた。

「会ったって言ってもオレの事なんて覚えてないだろうし、オレはただの一ファンだよ?逆に迷惑だって」

「......仕方ない。これは言わないでって言われたんだけど......」

「?」

「あの子達、また貴方に会いたいって前々から言っていたのよ。だからお願い!貴方もこのままでいるよりはいいと思うのよ!」

たしかに、いつまでもニートをしている訳にはいかない。でも社会復帰がアイドルのお世話だなんてハードルが高すぎる......!!そう考えていると、美幸の心を読んだかのように喜子が猛烈に説得をしてきた。

「滅多に経験出来る事じゃないのよ!それにこの話しをのんでくれれば、ウチのプロダクションの一社員として迎え入れるわ!......住み込みだから家から出る事にはなるけれど......。私もたまに様子を見に行くし!」

「女性には頼めないし、火事の出来る男性なかなかいないのよ!」と言われてしまえば断りずらい。美幸は「ハァ」とため息をつくと、喜子の手を握り返し、「分かったよ」と返事をした。

「ホント?!」

「ホント。だって姉さん、オレがやるって言うまで絶対折れないでしょう?」

「勿論よ!さて、そうと決まれば色々と準備しなくちゃね!」

「準備って荷造り?オレ、そんなに荷物無いから......」

「何言ってるの!まずはそのだらしない髪を切りに行くのよ!」

喜子はそう言うと、「私達の行きつけの美容室に連れて行ってあげる!」と美幸の手を引いて部屋を出ようとした。

「いやいや!髪の毛なんて別に今のままでも困らないでしょう?!」

「昔、翔汰に"もっさい"って言われたの、私覚えてるんだからね?長さは変えなくてもいいけど、せめてすいて整えるくらいしなくちゃ。ね?」

喜子はやると言えばやる人間である。美幸はため息をつくと、「分かったから着替えくらいはさせて」と言って喜子を部屋の外へと追いやった。

「まったく......。姉さんは強引なんだから...。それにしてもLUMINOUSと、推しと同居なんて......。緊張するだろう......」

「陰キャのオレに務まるとは思えない」そう呟きながら着替えていると、部屋の外から「ねぇー、まだぁ?」と言う声が聞こえてきた。

「ハイハイ。今出ますよ」

「...貴方って一見無頓着に見えて、実はファッションセンスはあるのよね......」

「...何?何か文句でもあるの?」

「いいえ?褒めてるのよ」

「さぁ!行きましょう!」と美幸と対照的に期待に胸を膨らませる喜子であった。

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  • 推しゴト!!   episode48

    スーパーを後にして、シェアハウスに帰る。黒川は美幸を無事送りとどけ事務所へと戻ろうとしたが、美幸から、「コーヒーでも飲んでいかれます?」とのお誘いがあったため、お言葉に甘えることにした。「モデル業も始めたというのに家の中はいつも綺麗にされてますね」「休みの日とかにまとめて掃除しているだけですよ。そんなに毎日仕事が入ってるわけではないですし。...個人の部屋はどうなっているか不安ですけどね......」コーヒーの香りが鼻孔をくすぐる。今の黒川の楽しみは美幸の淹れるコーヒーだ。こうして送りとどけると高確率で美幸のコーヒーにありつける。「彼らにもコーヒーを淹れてたりするんですか?」「それが、皆あんまりコーヒーが得意じゃないみたいで(笑)こうして誰かに飲んでもらえるのは嬉しいです」黒川は少し優越感に浸った。こんなに美味しいコーヒーをほぼ独り占め出来ているようで嬉しい限りである。「それじゃあ、このコーヒーはマネージャー特権ですね(笑)」「そうなります(笑)黒川さんから美味しいって言ってもらえるのが嬉しいです。淹れるかいがあります」「どうぞ」とコーヒーが差し出されると黒川はまず香りを楽しむ。そして一口、二口と口に運んでいく。やはり、どのコーヒーショップで飲むコーヒーよりも美味しい。前にそう美幸を褒めたら、顔を真っ赤にして喜んでいた。そういう可愛らしい面も五人を夢中にさせる要因なのだろうと今となっては思う。「こうして誰かと飲むコーヒーはやっぱり格別です」「私でよければいつでも付き添いますよ?私は美幸さんのコーヒーのファンですからね」「ふふっ。そう言ってもらえるとこれからもコーヒーの美味しい淹れ方を研究しないとですね」「楽しみです。おっと、もうそろそろ事務所に戻らないと。そうだ、美幸さんに渡さなきゃいけない物が......」「?」そう言うと、黒川はカバンから一冊の台本を取り出し、美幸に渡してきた。「?これは?」「言うのが遅くなりましたが、今度スペシャルドラマのオファーが入っていてその台本です。大丈夫。いつものようにしていればいけますよ」美幸は台本をパラパラとめくると、美幸の役は深窓の令息の役であった。......これは......。「こ、これ、主演じゃないですか......?」その言葉に黒川は無言でニッコリと微笑みを返す。これは肯定とみなさ

  • 推しゴト!!   episode47

    黒川の運転する車に揺られながらスーパーへと向かう美幸。その顔は愁いを帯びている。無理もない。あんな事があった後だ。「美幸さん、大丈夫ですか?」「え?何が?」......どうやら違うようだ。なら何なんだろう?黒川は気になってしまった。タレントの事を知るのもマネージャーの仕事だ。これは聞かねば。「なんだか元気がないようですがどうしました?私でよければ話し聞きますよ?」「黒川さん......。いえ、何と言いますか......。黒川さん、同じ男から言い寄られたらどうします?」「......はい?」創造の斜め上をいく返答に黒川は混乱した。なんだなんだ?一体何があったんだ?「まさかとは思いますが......、LUMINOUSのメンバーから言い寄られてたりとか......?」「......」「マジですか。で、でも全員からではありませんよね?」「......」もう言葉が見つからない。まさかのとんでもないスキャンダルだぞ、これは。大型新人モデルとトップ人気アイドルグループの組み合わせは週刊誌も黙っていないだろう。バレてはいけないネタだ。「で、でも皆普通に過ごしているので!大丈夫です、多分」芸能界に入って間もない美幸に苦労をかけるとは、何をやっているんだ。このままシェアハウスでの同居をしていて大丈夫なのだろうか......。まぁ、男同士だ。下手な真似しなければ大丈夫だろうが。だが、彼らの事だ。周りの目を気にすることなくアピールするだろう。「......まぁ、大変かもしれませんが、何かあったらすぐに相談してくださいね?」「ありがとうございます。あ、今日そこのスーパーによってもらえますか?玉子と牛乳が特売なんですよ」「分かりました」そうして黒川は言われた通りスーパーへと入って行った。車を停めると、美幸は待っていていいと言ったが、荷物持ちが必要でしょう?と言うと黒川は無理矢理ついていった。店内に入り、食材を見て回っていると、なんだか視線が感じる。すると、1人の中学生くらいの少女が近寄ってきた。「あ、あの、もしかしてMIYUKIさんですか?」「?うん。そうだよ?」「わ、わたし、駅前の広告見てからファンになっちゃて!よ、よかったら握手してもらえませんか?!」「もちろん。ありがとう。これからも応援してくれると嬉しいな」「は、はいぃ!全力で推していきま

  • 推しゴト!!   episode46

    「んー。やっぱりLUMINOUSは粒ぞろいでいいわねぇ。あ!もちろん桃瀬チャンも素敵よ!ココの子達は私の創作意欲を掻き立たせるのよねぇ!」「花ちゃんにそう言ってもらえるなんて誇らしいわ」優雅にコーヒーを飲みながら、男子達を眺める2人は少しばかり不気味だ。だが、こんな事口が裂けても言えない。「あの社長。そろそろレッスンに戻らせないと......」「あ!そうね。翔汰達はもうレッスンに戻っていいわよ。美幸はどうする?皆のレッスンが終わるの待ってる?」「いや、家に帰るよ。皆、今日の夕飯はグラタンでいいかな?」「やったー!グラタン大好き!!ヨシ君のグラタンのためならレッスン張り切っちゃう!」澪里がそう言うと、他の皆もやる気を出してくれた。作り甲斐があるというもので、とても嬉しい。黒川が「買い物もあるでしょうから、私が付き添いましょうか?」と申し出てくれたので、有難くお願いすることにした。「それじゃあ、オレはコレで。皆もレッスン頑張ってね!」「うぃーっす!」「ありがとうございます」皆から口々に礼を言われ、美幸は黒川と共に事務所を後にした。「さて、と。美幸がいなくなったところで......。皆、ぶっちゃけ美幸の事どう思ってるの?」「「ブーッ」」「何言いだすんだよ!レッスンするんじゃなかったのかよ?!」「レッスンよりも恋バナ優先でしょ?」この社長は何を言い出すのか。レッスンよりも恋バナを優先させるなどと......。「なによ?ウチの美幸の何処が気に入らないわけ?」「酔っ払いかよ...。あーもー!す、好きだよ!人間として!」「我々、仲間であるとともにライバルですから」その言葉を聞くと、喜子は満足気に頷いた。そして嬉々として美幸のどこがいいのか、と全員に聞いてきた。メンバー達が流石にそれは......、と言うと白田が、「社長、それはセクハラに当たりますよ」と苦言を呈した。白田に言われてしまえば喜子も強く出れない。「前から思ってたけど、社長って白田さんの言う事聞く事多いよね。その逆も然り」「あら?この子達知らないの?この2人付き合ってるのよ?」「気がつかなかった?」と森からカミングアウトされると全員が驚きを隠せないでいた。「ちょ、ちょっと花ちゃん!美幸も知らないのよ?!」「あら、そうだったの。ごめんなさいね!驚かせてしまって」もう開い

  • 推しゴト!!   episode45

    「でもどうして花ちゃんがわざわざ出向いて?」「丁度こっち方面に用事があったから、よっちゃんの顔を見に来がてらね。また依頼の件については後日改めて連絡するわ」そう言うと、喜子が入れたコーヒーに口をつける。「うん。いつも通り美味しいわ」と言うと、森は美幸に目をやる。「......一体全体、どうしたら服がそんな有様になるのよ......」「アハハ......。これには海より深いわけが......」「ヨシ君、僕のTシャツでよければそれに着替えて!」「あ、ありがとう......」澪里からTシャツを受け取ると美幸はそれに着替える。...こ、これは、澪里が昔コラボしたブランドのTシャツ!「澪里さん!このTシャツオレ持ってるよ!色違いだけど!」「わ!ホント?嬉しいなぁ。これ、かなり気合入って作ったんだよね!今じゃもう手に入らないプレミア物だよぉ。お古でよければそれ、あげようか?」「え?!いいの?!うっわぁ、嬉しい!大切にする!」全員の目に、この二人の周りに花が舞っているのが見えた気がした。なんともまぁ、和む光景である。Tシャツは澪里のサイズのため美幸には少しぶかぶかであったが、それでもオシャレに見えるのは流石モデルというところなのであろう。「なんか、彼シャツっぽくていいな......」「ショウ君変態ぽーい!」「ハァ?!んだと、澪里テメェ!!」「ハーイ、ハイハイ。喧嘩しないの!まったく。美幸の事になると皆たかが外れたかのようになるんだから。少しは大人になりなさい?」喜子や森がいる前で恥ずかしい...。だが、この光景を見てこの二人はぐふふと悪い顔をしていた。まさかとは思うが、森も......、と嫌な予感が頭をよぎる。が、これ以上の事は考えないようにした。「いやぁ、いいもの見せてもらっちゃたわね。ご馳走様」「いえいえ(笑)いつでも見に来ていいのよ?」不穏なやり取りである。まるで闇取引でも見ているような......。美幸が身震いをすると、皆が心配の視線をよこしてきた。「寒くない?大丈夫?」「何か温かい物でも飲みますか?」などと声もかけて来たのであった。「大丈夫!大丈夫だから、皆心配しすぎ!!」「そりゃあ、あんな事件があった後なんだから心配するに決まってるだろう?」「そーそー。それによっしーは未来のウチのスターだよ?体調管理はしっかり、ね?」や

  • 推しゴト!!   episode44

    黒川は事の顛末を喜子に電話すると、急いで事務所へと戻ってくるように言われた。「MIYUKI、車に乗ってください。社長がかなり心配してお待ちです。それに、衣服が引き裂かれているんですから早く着替えないと......」「分かりました。......黒川さん。すみません」「MIYUKIが謝るような事は何もありませんよ。こちらこそ、一人にしてしまってすみません」美幸と黒川は車に乗り込むと、法定速度を守りながらもマッハで事務所へと向かった。事務所に着くなり、美幸は喜子に抱き着かれると言う熱烈な歓迎をされた。「もう!心配かけて......!!服ビリビリじゃない!黒川君、どうしてこんなことに......?」「それが......、物難しいカメラマンに気に入られたのと、MIYUKIの番になった途端ざわつきが大きくなりまして、人を惹きつけ始めたのが面白くなかったのかと」「姉さん、もう終わった事だし、オレも気にしてな......」「何言ってるの!これは潰さないと気が済まないわ。黒川君、相手のモデルについては?」「もちろん、把握済みです。いつでも報復出来ますよ」...なんだか物騒な話しになっている。だが美幸に止める術はない。もう、喜子の好きにさせよう。そう思う美幸であった。こんなところ、LUMINOUSの皆に見られなくてよかった...。そう思っている時だった。噂をすればなんとやら。皆が事務所に現れたのだ。「ふぃー......。お疲れ様でー......す......?って、美幸なんだよその恰好?!」「あ...これは......その......」「ビリビリじゃん!ヨシ君ケガは?!ケガはない?!」......ほら見た事か。自分で言うのもあれだが、惚れた相手がこんな格好でいると黙ってはおけないようだ。「黒川、何があった?」「美幸さんの許可がない限り私の口からは申し上げられません」「......よっちゃん」「大したことないよ。未遂で終わったわけだし」美幸はそう言ってはぐらかそうとしたが、皆はそうはいかなかった。はぐらかされてはくれなかった。「正直に言ってください、美幸君。貴女が心配なのです」「......撮影の時に嫉妬されて......その、レイプ?されかけました......」美幸の言葉にその場が絶対零度になった。皆わなわなと震えている。「ち......

  • 推しゴト!!   episode43

    「さぁてと。どう可愛がってやろーかねぇ......」「顔はバレるからやめとこーぜ?」「まぁ、顔は良いから女の子にしてやるのも面白いな......。それを動画と写真に残すんだよ。そうすればもうデカい顔できねぇだろ?」意識がしっかりとしてくるとおざましい会話が聞こえてくる。モデルとして新人に越されたのがどうも面白くなかったらしい。だったら、それなりに努力をしてくるべきだと思うのだが......。「ん?あぁ。起きたかよ、お姫様?」「気色悪い事言わないでもらえませんかね?ていうか手、解いてもらえませんか?」「おいおい!まだ自分の置かれた立場が理解できてねぇのかよ。ウケる(笑)」理解できてないわけがないだろう......。縄で手を縛られ地面に転がされている。サンドバックになるか、はたまた、......集団レイプでもされるか。後者は絶対に嫌だが、先程の会話からするに後者の方が当てはまってしまいそうで恐ろしい。「なんでったってこんな真似しているんですか?」「なんでって。面白くねぇからだよ。新人のくせして注目集めていい気になってるみたいだし。これはちょーっとお仕置きしないといけないかなぁと思ってなぁ」「綺麗な顔に産まれたことに感謝するんだな。お前も痛い思いするよりも気持ちい思いした方が良いだろう?」そう言うと、モデルAは美幸の服を引き裂いた。そして、胸から腹を撫で回す。非常に気色悪い。「おぉ、男のくせしていいさわり心地してるじゃねぇか。うわ、乳首綺麗な色してんじゃん!これなら楽しめそうだ......」モデルAは舌なめずりをして美幸の胸元をまさぐる。カメラを回していたモデルBも生唾をごくりと飲み込んだ。「アンタら......このままだと終わりますよ......」「終わるのはお前だよこの映像があれば......!!」モデルBが言葉を続けようとしたその時だった。どこからともなく数名のスタッフと警備員が黒川に連れられてこの場に現れた。「MIYUKI!大丈夫ですか?!」「黒川さん......。何とかギリギリセーフです......」黒川は逃げようとしたモデルAを背負い投げし、モデルBはスタッフに捕まりカメラを没収されていた。他のモデル達も続々と現れたスタッフ達によって身柄を確保される。これから奴らはもう二度とモデル人生を歩めないだろう。そうしたのも自分た

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