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6. 「あの日の僕ら2」75

Auteur: 佐行 院
last update Date de publication: 2025-12-19 11:43:23

-75 山中での惨劇-

 真美は豊に感謝の意を伝える為、恩人の目の前にある瓶ビールを手に取りグラスに注ぎ始めた。

豊「いつ振りかな、真美ちゃんに注いでもらうのは。」

真美「確か私が中学生だった時以来だったと思います。」

 そう、丁度真美が豊の部屋に入り浸って経済学の本を読み漁っていた頃だ。真美は学校が終わるとまっすぐ松龍へと向かい、居住スペースにある豊の部屋で宿題を終わらせてから夜までずっと経済学の本を読み、夜になると晩酌をする豊と経済学について語り合っていた。

豊「本当、顔が生き生きしていたよな。俺が読んでいない所も読んでたから話に追いつくのが大変だったよ。」

 ただ豊は楽しそうに話す真美を見て懸念している事が有った、自分の所為で真美が1人の女の子としての人生を楽しめていないのではないだろうかと。その証拠に、いつもの事だが真美の服装は真帆に比べて質素な物だった。

豊「真美ちゃんはファッションとかには興味が無いのかい?」

真美「あんまり無いですね、どれだけ着飾っても自分は自分なので。」

 真美はそのままの意味で言ったつもりだったが、豊には意味の深い言葉に聞こえた。それと同時にあの頃の
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