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第175話

作者: 年緒
萌花は続けた。

「人に薬を飲ませて、相手の人生を壊そうとしたのはあなたでしょう。うまくいかなかったのは、せめてもの救いだわ。結局は、自業自得だったということよ」

そんな怜を見つめて、萌花も胸が痛くてしょうがなかった。

怜が田舎から出てきて来希の家で暮らすようになってから、萌花はずっと彼女の面倒を見てきた。

勉強を教え、食事にも気を配り、毎日のように弁当を作って持たせた。成績も、最下位に近かったところから、上位に入るまで引き上げた。

けれど萌花に変えられたのは、怜の成績だけで、その性根まではどうしても変えられなかった。

口を開いたのが萌花だとわかった瞬間、怜の中に押し込めていたものが、一気に噴き出した。

怜が一番憎んでいる相手は、萌花である。

あの大事な時期に萌花が自分を見捨てなければ、家を出ていかなければ、来希との離婚にこだわらなければ……今、こんなことにはなっていなかったはずだ。

怜は何度も考えていた。あのとき萌花が勝手に家を出たりせず、これまでどおり毎日弁当を届けてくれていたら、自分も和樹君と何事もなく、毎日一緒に昼食をすることができる。

そうして一緒に過ごす時
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