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第18話

Penulis: 藤永ゆいか
last update Terakhir Diperbarui: 2026-01-02 19:00:00

ある日の午後。神崎さんが書類を届けにやって来た。

「森川さん、これから買い物ですか?」

「はい」

「実は、氷室様のことでお話したいことがありまして。少し、お付き合いいただけませんか」

その真剣な表情を見て、私は直感した。もしかして、前に家を訪ねてきたときに、話そうとしていた、あの続きではないだろうか。

近所の、少しざわめいたカフェで、私たちは向かい合ってコーヒーを飲んだ。

神崎さんはカップを両手で包み込み、温めるようにしながら、静かに話し始める。

「氷室様……最近、本当に変わりましたね」

「変わった?」

「ええ。毎日、ちゃんとご飯を食べているって聞きました。以前は、朝食なんて絶対に摂らなかったんですから」

「……」

「朝食は絶対に食べない。昼も会議の合間にコンビニ弁当を掻き込む。夜は栄養ドリンクで済ませることも多かった」

「そんなに……」

私は胸が痛んだ。深夜、あの社長室で見た彼の疲労が、全て現実の姿だったのだ。

「睡眠時間も3時間とか。休日も会社に出て仕事をしている……そんな生活が、何年も続いていた」

神崎さんは、コーヒーを一口、口に含む。その目の奥には、長年見守ってきた者だけが持つ、深い疲労の色があった。

「でも、あなたが来てから、変わった。毎朝ちゃんと朝食を食べて、夜も少しずつ早く帰るようになった」

「そうなんですか?」

「ええ。私は氷室様の秘書として、10年以上見てきましたが……こんなに人間らしい彼を見るのは、本当に久しぶりです」

神崎さんの目は、どこか遠い過去を見ているようだった。

「森川さん、氷室様のことで一つお願いがあります」

「はい」

神崎さんは、少し間を置いてから、真摯な目で私を見つめ直した。

「ここからは、彼の友人としてお話しますが……氷室様

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