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第26話

last update 게시일: 2026-01-10 19:00:00

「どんな猫だったんですか?」

私がそっと尋ねると、氷室様は遠くを見るような目をした。

「白い猫だった。名前は、ユキ」

その名を聞いた瞬間、私の指先が自然と首元のネックレスに触れた。

雪の結晶。ユキ。

……彼は、自分が失った最も大切なものの名前を、私に贈ってくれたのだろうか。

「ユキ……」

「母が拾ってきた。雪の降る日に、捨てられていたらしい」

氷室様の声が、少しだけ柔らかくなった。

「母は優しかった。ユキを大切に育てた。俺も、ユキが好きだった」

「……」

「小さくて、ふわふわで。俺が学校から帰ると、いつも玄関で待っていてくれた」

氷室様は、タブレットを見た。

「この動画の猫を見ると、ユキを思い出す」

その声は、懐かしそうだった。そして、少しだけ――悲しそうだった。

「だけど、病気で……俺が10歳の時に、母は亡くなった」

氷室様の声が、少し震えた。

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