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第5話

Author: 桃瀬乱破
その男の顔は、間違いなく悠楓だった。

けれど、その表情や眼差し、語り口のすべてが、背筋が凍るような違和感を放っている。

何より驚くべきは、私がこの手で刺し貫いたはずのあの瞳が、まるで何事もなかったかのように光を宿しているのだ。

心臓が早鐘を打ち、混乱した頭が高速で回転する。

思考の海を漂う一本の糸をようやく掴みかけたその時、彼は信じがたい言葉を口にした。

「俺は、未来から来た悠楓だ」

私は息を呑み、瞳が大きく見開かれた。

改めて見ると、目の前の男は今の悠楓よりもはるかにやつれ、痩せ細っている。

彼は急いで証明したいといった様子で、首元のネックレスを乱暴に引きずり出した。「この小瓶に入っているのは、お前と……娘の遺骨だ。

母も娘も失い、絶望したお前は会社の屋上から飛び降りて死んだんだ」

彼の瞳には、溢れんばかりの悲痛な色が宿っていた。

「信じてくれ!」

そして、恐る恐る尋ねてきた。「覚えているか?」

私は立っていられず、彼の腕に必死にしがみついた。

彼の首筋には、今もくっきりと歯型が残っている。

手術室の前で、私を抱き止めた彼に、私が血が出るほど噛みついた―
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