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第60話

Author: 霧乃吟
隆一の独特な思考回路に、澪は感服せざるを得なかった。

彼女は慌てて声を落とした。

「森宮家から、二人のことを公にしないよう言われているんです。ここは会社ですし、誰に聞かれるか分かりません。言葉には気をつけてください」

隆一は鼻を鳴らした。

「何が二人のことだ。要するに愛人だろう」

澪はにじり寄り、調子を合わせて言った。

「もしこれが昔だったら……」

「打ち首だ!」

隆一は勢いよくテーブルを叩いた。

知之は二人を見比べ、何も言えなくなった。

本当に二人とも落ち着きというものがないと彼は思う。

コン、コン、コン――

ドアが開いて、征司と紗耶が姿を見せた。

征司は澪を一瞥しただけで、すぐに目をそらした。

一方、紗耶は澪がいることに気づくと、わずかに眉をひそめた。

すぐに征司の腕に自分の腕を絡め、澪など目に入らないという顔で隆一に微笑みかける。

「柴崎先生、初めまして。白石紗耶と申します。ようやくお目にかかれて光栄です」

隆一は湯呑みに口をつけ、征司に視線を向けた。

「森宮社長、久しぶりだな」

紗耶は完全に無視され、一瞬だけ笑みを消した。

征司は落ち着い
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