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30.危ういレストラン

Autor: 桜立風
last update Data de publicação: 2026-03-18 12:40:09

「ごめんね美紀ちゃん!…今日はちょっと先に出るね」

「うん!気にしないで行って〜」

いつも通りの柔らかい笑顔を見せてくれる美紀。仕事中、ついソワソワする自分を感じていたと思うのに、決して探ろうとはしない。

…じゃあね、と手を振りながら、美紀にそろそろ自分の生い立ち、そして龍之介の話をしたいと桜は思った。

「あのさ、美紀ちゃん、今度、いろいろと…私の話聞いてくれる?」

「うん!…もちろん!」

美紀はそう言いながら、誰にも聞こえないように小さな声で言った。

「先に1個だけ教えて…!今日はこの後、幸せなお出かけ?」

「…うん」

「そうなんだ…!良かった〜それだけ聞けたら私は満足…!」

美紀は大きく手を振って笑顔で見送ってくれた。

部屋に帰り、決めておいた服に着替える。髪をひとつにまとめたのは、食事に行くなら邪魔になると思ったから。

しばらくぶりに会う龍之介に、喜びよりドキドキが勝ってしまう。けれど今夜は、蔵之介と麗香も一緒だと聞いているから緊張感は少ないかもしれない。桜は小さな洗面室の鏡に自分を映し、おかしなところがないか…一生懸命チェックした。

『…桜、外にいるから出てきな』

携帯に「龍
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Comentários (1)
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龍之介が撃たれた時の蔵之介を見ていたら、桜ちゃんを諦めたのかと思ってたんだけど、今も想ってるんですね。 それは百合さんの面影を見ているんじゃなくて、桜ちゃん自身を見ているのかな? 麗香さんの気持ちを知っているし桜ちゃんは気が気じゃないよね。 とんでもない事件…兄弟で?それともまた組の関係だったらどうしよう。
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