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60.すべてが壊れた朝

مؤلف: 桜立風
last update تاريخ النشر: 2026-04-18 16:44:24

翌朝、いつも通りキッチンに向かい、朝食の準備に取り掛かった。

昨夜、蔵之介は帰らなかったようだ。きっと驚くだろうに……真理を見て、百合が帰ってきたと錯覚して。

桜は泣き腫らした重いまぶたを伏せ、4人分のだし巻き玉子を焼く。

組長夫妻と龍之介、そして真理の朝食だ。

きっと龍之介はこちらで朝食をとるだろう。……あの正面玄関から、間もなく真理と一緒に入ってくる姿を簡単に想像できた。

そして……

「おはようございますっ」

組員たちのドスの効いた声をまといながら、龍之介がキッチンを通り過ぎて行ったのがわかった。……すぐ後ろに真理を従えて。

フライパンに玉子を流し込み、ジュッと焼ける音を聞きながら、桜は思う。

配膳は誰かがやってくれたらいいのに。

今朝ほど、龍之介の姿を見たくないと思うことはなかった。それは、昨夜見た光景を思い出し、悲しみで胸が押しつぶされそうになるから。

見てしまった。

龍之介が真理の泊まる離れの部屋に入っていくのを……

昨夜、離れの部屋を整えて戻り、代わって和哉が真理を部屋に案内する後ろ姿を見送った後の話だ。後片付けを終え、自分の部屋に引き上げた後、カーテンを閉めようと窓辺に
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تعليقات (1)
goodnovel comment avatar
yuu
何か事情があるんだよね? 桜ちゃんを思うと泣けてくる…
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    「龍之介さん、携帯が……」 「あぁ、あとで見るからいい」 チェックアウトを済ませ、車に乗り込む龍之介に尋ねた。 「これから、どこに?」 「羽田だ。できるだけ早く出発できる便を予約する」 「……待ってください」 ハンドルにかけた手に、桜はとっさに自分の手を重ねた。 「なんだよ、ついていくのが嫌になったとか、言わねぇだろうな?」 「そんなんじゃないです。……でも、斎藤さんにお世話してもらったアパート、そのままだし……」 「連絡して退去手続きをしてもらう」 「室井酒店でもう一度雇ってもらうことが決まってて……」 「取り消せばいい」 「美紀ちゃんが、オーナーと結婚して、そのお祝いをする約束が……」 龍之介はイラつきを隠さず、バンッとハンドルを叩く。 「落ち着いたら遊びに来てもらったらいいんじゃねぇの?……それより、2人でいることが大事だろ。なるべく、遠く離れて、見つからねぇとこで、2人で……」 やはり、龍之介は無理をしている。 本当は、さっきから何度か震えている携帯を気にしているのだろう。 まるで、メッセージを確認したら魔法が解けてしまうとでも思っているかのようだ。 「龍之介さん、正直に、教えてください。蔵之介さんに協力してもらって、私のところへ来てくれたんですか?」 フロントガラスを見つめたまま、何も言わない龍之介。 桜はその手を取り、撫でながら続けた。 「麗香さんも、最後に私と会うことをを許してくれたんですか?……それとも、囲うことを、許してくれた?」 「あいつはそんな女じゃねぇよ」 撫でられていた手を、桜の頭の上に置き、視線をこちらに向ける。 「屋敷に戻れば、もうお前には会わせないだろう。それを蔵之介が黙らせたんだ。自分が代わりに一緒にいてやるから、1度だけ行かせてやれって……」 その複雑な表情で想像できた。 志田川組との協力関係を目に見える形で表したのが、龍之介と麗香の結婚だったわけだが……それは契約結婚、というには重すぎる誓いだったのかもしれない。……2つの組織の行く末、そして存続にも関わる組と組の結びつきは、 とても計画的な離婚など実行できないと悟ったのだろう。 だから龍之介は今、最果ての地に行こうとしている。……私を連れて、誰にも見つからないように、

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  • 極道と、咲き乱れる桜の恋   73.イメクラにて……

    「それなら俺が指名する」「はぁ?なんだよそれ……体験入店で指名とか、できるわけないだろ」「だったら体験入店なんてさせるかよ」キッパリ言って、龍之介は桜を見下ろす。その熱いまなざしに、蔵之介は呆れたような諦めたような表情になり、指先で追い払うような仕草をして見せた。 「体験入店で指名ってあんまり聞かないけど……普通にお金を払ってくれるならいいよ?」「紗奈の部屋」という場所に潜入し、こちらの希望を伝えると、店長はそう言って龍之介に片手を差し出した。2時間コース2万円に1万プラスして、龍之介は店長の胸ぐらをつかんだ。「……ちょっと探してる奴がいるんだわ。モニター見せてくんねぇか」「……え、あんた、」「俺の顔、知らねぇか?」店長は近づいてくる龍之介の顔にほんのり頬を染め「……めっちゃイケメン」と呟いたので、思わず笑ってしまった。「それらしい人はいませんね……」モニターをひとつひとつ確認し、坂上らしき人物を探すも見つからない。「今は風呂場にいるってことも考えられるからな」「風呂場……」そんなに広くなさそうな部屋に、風呂場までついているのかと感心する。龍之介はそんな桜に目を細め、脇で小さくなっていた店長に携帯の画面を見せ、もう一度吊るし上げた。「この男、ここへ来たろ?」「いえ……」「嘘つくと面白くねぇことが起こるぞ?」ギュッと腕をひねり上げ、凄む龍之介を、店長はうっとりした目で見つめ返す。「どんな……面白くないことですかぁ……」そこで突然腕を離し、そばでやり取りを見ていた桜の肩を抱く。「ダメだこの男、生粋のМだ」「М……」確か痛めつけられると喜ぶというタイプの人のことだと察する。そこで、各部屋を探ってみることになった。店長に言わせると、現在塞がっている部屋は5室。「いずれもセーラー服を希望されてます」「……その情報はいらねぇわ」驚いたことに、部屋に鍵はかかっておらず、中に入るのは簡単だった。中にいる人に見つからないように部屋に入っていき、坂上かどうかを確認する。結局、5室に入っていたのは全部別人だとわかった。「あの……少し休まなくて大丈夫ですか?」「あぁ、そうだな。少し休むか」怪我をかばいながら狭い通路を進んでいくのは大変だろう。汗を浮べた龍之介は、勝手に空き部屋を探し、中に入った。「……え、これ、なんで

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