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第5話

Author: 楽野
コール音が7回鳴った後、電話は繋がった。

「......もしもし?」

年老いてはいるが、威厳を失っていない声だった。

「......おじい様」

私がそう呼ぶと、電話の向こうは十秒近く沈黙した。

「......美波、なのか?」

「はい」

私の祖父・木崎正雄(きざき まさお)の声が一瞬で張り詰める。

「今どこにいる。何があった」

「警察病院の入院棟です。307号室。おじい様、お願いしたいことが二つあります」

その直後、電話の向こうから短く返ってきた。

「待っていろ」

......

三日後、私は退院した。

車は市街地を抜け、高速道路へ入る。

夜明け頃に辿り着いたのは、人里離れた静かな療養施設だった。

警察病院のような消毒液の臭いはなく、漂っているのは草木の青い香りだけ。

独立した庭付きの建物に、二十四時間体制の介護スタッフ。

リハビリ設備も完璧に整っていた。

「正雄様のご手配です」

祖父の補佐・寺田が低い声で言う。

「ここなら絶対安全です。誰にも見つかりません」

私はそこで、リハビリを始めた。

右脚の粉砕骨折は重傷だった。

最初の一ヶ月、私は立
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  • 母の命を踏みにじった夫へ、私からの断罪   第3話

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