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第193話

Author: 雨の若君
森山は、ジムにこもり、正気を失ったかのように体を動かし続ける素羽の姿を見て、思わず心配そうな視線を向けた。これほどまでに身体を酷使する運動は、常軌を逸している。

素羽は、ただ運動をしているのではなかった。胸の奥に渦巻く狂気を、必死に吐き出そうとしているだけだった。

止まりたくなかった。

一度でも動きを止めれば、あの写真の光景が、容赦なく頭の中に押し寄せてくるからだ。

司野は言った。美宜とは何の関係もない、と。

彼女のことは妹のように見ているだけだ、と。

だが、その言葉はすべて、彼自身の行動によって無残に打ち砕かれた。

特別な関係でもない異性と、二人きりで旅行に行く。

それは、本当に「普通」のことなのだろうか。

よりにもよって正月という時期に、妻の誘いを断り、妹だと言い張る相手と連れ立って遊び回る。

全部、嘘じゃないか。

その瞬間、「ドン」という鈍い音が響いた。

ジムの外にいた森山は異変を察し、慌ててドアを開けて中へ駆け込んだ。

「奥様!」

素羽はランニングマシンから転げ落ち、床にうつ伏せになっていた。マシンのベルトは、なおも勢いよく回り続けている。

森山は
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