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第229話

Author: 雨の若君
「お前の須藤家が北町で相当な権力を持っているのは知っている。だが、だからといって法を超越できるわけじゃない。

素羽は離婚したいと言っているんだ。お前が『離婚しない』の一言で決められる話じゃない。

今のお前は、彼女に後ろ盾がいないのをいいことに、好き放題できると思っているだけだ」

清人は一歩前に出て、言葉を噛みしめるように続けた。

「彼女に頼る人間がいないわけじゃない。素羽が離婚を望むなら、僕が最後まで彼女を支える」

司野の漆黒の瞳には、嵐のような険しい光が宿っていた。

清人の涼やかで端正な顔には、深い情が浮かんでいる。

「司野。彼女を大切に思う人間なら、いくらでもいる」

その言葉が終わるか終わらないかの刹那、司野の拳が清人の顔面に叩きつけられた。

清人はよろめいて後退した。司野は彼の襟首を掴み、陰鬱な声で吐き捨てる。

「言ったはずだ。人の女に手を出すな!素羽は俺の妻だ。その汚らわしい考えをしまえ!」

清人は口角を吊り上げた。いつもは温和な顔に、嘲るような笑みが浮かぶ。

「汚らわしい、だと?司野、お前に比べれば、誰だってよほど清廉だ。先に冷酷な仕打ちをしたのはお前
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