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2話 ダム建の村

ผู้เขียน: 天咲琴乃
last update วันที่เผยแพร่: 2026-03-08 18:57:01

峠をおりて、村の全貌がみえる。

看板には「ダム建設予定地」とあって、来年度には湖のそこに、ダムの底に沈むことが決まっている。

もう買収もおわり、きっと今住んでいる人達は、来年度には引っ越していくのだろうけど。

私たちの両親は、この村に取材に来て行方が途絶えた。私たちの両親のことは聞くつもりは無い。……殺されて眠っている可能性もある。

それくらい都市伝説として噂が立つような不気味さもある。ただ、証拠がないのでお手上げなのだ。

現代の科学を、持っても。証拠不十分なんてことあるのか。

まるで村ぐるみで、証拠隠滅をした可能性もある。

生きてて欲しいが、両親が消えて10数年過ぎて、大学生になった私たちが何処まで真相に迫れるのか、という不安もある。

そうこうしているうちに、民宿前まで来て、怜央に先に降りて、と言われ、怜央が車を駐車場に入れている間に

先に民宿の部屋へ行くことにする。

「澪、私、車にスマートフォン置いてきちゃった。真央と二人で先に行ってて」

そう言って、莉央は車に忘れ物を取りに戻ったので

真央くんと澪は、民宿で2人きりになってしまった。

……き、気まずい。いつも莉央がいたから、こういう時なんて話……

「澪は、怜央と普段なに話すの?」

 ふと顔を上げたら、真央と目が合う。ふわっと子どものように無邪気に笑う。少しあどけない少年っていうか

同い年なのに。4人とも。怜央は年より大人っぽいし。

「あ、うん。怜央は頭もいいし、なんというか俺様、オラオラ系っていうか……私が話さなくてもひとりでずっとウンチク語るし」

「だろうねえ。俺と真逆。俺は……どちらかというと聴く方だから」

「莉央とどんなこと話すの?」

一瞬、間があって。

寂しそうに笑う。

「莉央も聴くほうがいいってあまり話してくれないけど……たまに口開いても推しの怜央様の……君の彼氏の話?するし」

「あー。注意しておく。んもー。真央くん目の前にしてすることじゃ……」

「顔は……似てるのに、全然違うよな」

「え?」

見ると、目が真剣で、瞬きもせずに見つめられてて、ドキッとしたが、先に目を逸らしてしまう。

な、な、なん。なんなの

違うに決まってる。顔だけ似てるけど中身が違う。私は勝気で結構ワガママだけど、莉央は大人しく優しい。時々ビクビクしているし、兎みたいに怯えている。

気が弱くて、小心者で臆病。それでも友達や私が困っていると心を奮い立たせて庇ってくれる。

本当に優しい子。

損もするし、その好意を利用されるときもあるし、男選び間違えたら利用されてポイ捨てされかねない。

ただ、守りたくなる雰囲気がある。弱くて儚げで。ひたすら静かで、推し活のときだけミーハーだけど。

怜央のファンで、私が付き合うことになった時、凄く驚いていたけどとても喜んでくれた。

「澪を……好きになれたら違うのかな」

ボソッとありえないことが真央くんから聞こえた。耳がボっと紅くなる。いや、真央くんが、そんなはず……

いや今なら間に……

ガラッと襖扉が開いて

怜央が不機嫌そうに入ってくる。

「莉央ちゃんだった。……澪、ごめん」

「な、なんの話?」

怜央がどこまで話聞こえていたのか不安になったのだが、……ん、なんの謝罪?

「澪かとおもって抱きしめてしまった……」

「は?莉央、だ大丈夫?」

「ううう、うん!だ、だいじょ……」

茹でだこみたいに、いまにも倒れそうな莉央をみて、私も頭が痛い。

「莉央!!消毒!さあ!」

「消毒……」

莉央が真央くんにさらにぎゅっと抱きしめられるのをみて、胸がズキッとした。

 「はい!澪は俺にハグされまーす」

そんな私を覆い隠すように、怜央は私を抱きしめて隠す。

怜央は……わかってる。私が真央に少し惹かれているの。それでももう、脈がないので、傷つかないように、いつもギャグのように絡む。

莉央が自分を神様のように崇拝して、応援してくれるのもわかっているけど、怜央は本当に私を好きで

こんな完璧な彼氏がいるのに、私がちょっとありえないのだが。

理屈じゃない、恋は。条件がとか、顔がとかじゃなくて。気づいたら恋に落ちてる。堕ちる。落とし穴に落ちるみたいに。

そして恋は、男とは。基本的に惚れた女が最優先で、その他とは明らかに違うし、友達の好きと、惚れた女への好きは、絶対温度的に違う。

私は真央に惹かれ、真央は莉央に惚れていて、莉央は怜央を神のように崇拝し推し活してて、怜央は私に惚れている。

そして恋愛は、女性の気持ちより男性が惚れている女性とくっつくように出来てる。

女側がどんなに好きでも。

「お客様、お部屋ひとつ、布団は4つ。よろしいですか?神隠しにお気をつけて。都市伝説取材として来ていた方で山に入って戻られた方がいないので、山に入るのはおやめ下さいね」

仲居さんの言葉が、引っかかった。

「前にもそんなことがあったんですか?」

「……貴方たちも鶴の恩返し、都市伝説を取材しているんですか?この村には100年前、多鶴(たづる)という村娘がいたのです。大したことない。村以外の外の者に恋をして、その男は多鶴の気持ちを利用して多鶴の周囲の人間関係を壊し、孤立させ、自分にだけ尽くすようにして、ある日、多鶴が他の男に盗られそうになって、駆け落ちして消えた。いろんなそういうものが伝承されて昔話なんて出来てるのですから」

「孤立……」

そうすると、人は、その人しか拠り所が無くなる。依存か。共依存。

「お姉ちゃん、ごめんね、嫌だよね私が自分の彼氏にハグされていた……」

「いいのよ!俳優なんてラブシーンするじゃない?!そういうの妬いちゃうけど、莉央も怜央も信じてるし、間違いのハグでしょ?なに?くっつくの?付き合うの?付き合うなら話が変わる」

莉央は、ホッと安堵をすると。

「推し活も許してくれてありがとう。怜央くんが私を好きになること……ないってわかるから」

姉妹揃って、それは同じ。言えないけど。

わかるのよね。両想いにならないって。嫌という程。好きだからこそ、好きな人が誰を目で追うのか、優先順位とか優しさとか、嫌という程思い知る。

だから少しずつ、失恋した傷を癒すように、彼氏との恋を育む。彼氏のこと好きだし、いつか彼氏の好きで逆転すると……。

浮気じゃないけど。

鶴の恩返しの、元ネタは地方各地いろんなこと言われていて、どれが正解なのかわからないけど。

「山に入らず、村から情報を集めよう」

好きな男に、利用された鶴のような名前の村娘、か……。

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