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第347話

Auteur: 清水雪代
香代子は感情が激しく高ぶっており、足早にその場を立ち去ろうとした。だが、その瞬間、彼女は突然足を止め、顔面を蒼白にさせてその場にしゃがみ込んだ。胸を押さえ、肩でぜえぜえと荒い息を突き始める。

智美は、以前指導していた生徒に喘息持ちの生徒がいたことを思い出した。発作が起きると、まさに今のような状態になる。

香代子の身に何かあっては大変だ。智美は急いで彼女のそばにしゃがみ込み、そのブランド物のバッグの中を探った。

一般的に、喘息患者は常に吸入薬を持ち歩いているはずだ。

幸いなことに、香代子も薬を持っていた。

智美は急いで薬を取り出すと、キャップを外して香代子の口元に当てた。

香代子が喘息薬を吸入すると、荒かった呼吸は徐々に落ち着き、顔色もいくらかマシになった。

智美はまだ心配で、彼女の体を支えて立たせ、病院に連れて行こうとした。

香代子の態度は、先ほどのような刺々しさは消えていたが、それでも弱々しく抵抗した。「……病院には行かないわ。海知市に帰るの……」

だが智美は、彼女の手をしっかりと掴み、真剣な表情で言った。「志賀さん。男も、恋愛も、あなたご自身の健康より大切なものじ
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