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【第2章・第10話】《回想》令嬢の告発

last update publish date: 2026-02-12 15:48:13

 この二年間で、冒険者ですらないカラミタまでもがすっかり通い慣れてしまったギルドマスターの部屋の扉をアイシャがノックすると、すぐに「——どうぞ」と声が返ってきた。

 扉を開け、アイシャ、カラミタ、リトスの三人が室内に入る。すると、彼の定位置でもある執務用の席に腰掛けているライゼの他にも、手前側にある応接スペースに一人の男性がいた。冒険者ギルドが総本部を構えている此処・シルト王国の王太子であるアリスター・クラウ・シルト殿下だ。魔王討伐に向けての国際会議などといった席で既に兄弟達と面識があり、彼自身Aランクの冒険者でもあるため、討伐に向けてシルト王国の代表として橋渡し役を担ってくれている。

「——三人は、テオドールの件で来たんだね?」

 簡単な挨拶もそこそこに全員が席に座り、アリスターはすぐ本題に入った。

「共に育った兄弟だもんなぁ、安否が気になるのはわかるが、そう心配すんな。今は王宮の一室で待機中だ」

「牢にはぶっ込まれていないんだな」

 『待機中だ』と言うライゼの言葉を聞き、リトスが安堵した。軽いノリでアイシャ達に知らせてはいたが、あれはどうやら弟達を不安にさせないためにとの考えか
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  • 独立した末っ子が執愛属性持ち『魔王』になって帰って来た   【第2話・第9話】《回想》手のひら返し

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  • 独立した末っ子が執愛属性持ち『魔王』になって帰って来た   【第9話】受け入れ体制

     あの後すぐに二度目の転移魔法を使って自宅に戻った。裸のままで、しかも首も座っていない歳の子だったため、レオノーラは着ていたローブを脱いで、魔族の赤ん坊をそれに包んで抱いている。「母乳の代わりに、どうやらヤギのお乳で代用出来るみたいですよ」 「そうなんだ?良かった」 家に到着するなり早速代替え品を調べてくれたセリンに、安堵した様子でレオノーラが返した。「赤ん坊の服なんて流石に無いからウチがちょっと作ってくるよ。あ、テオが昔着てた服ちょっといじるねー」 「多分衣装棚の一番下にしまったままだと思いますから好きに使って下さい。——じゃあ僕は、ベビーベッドの代わりになりそうな物を倉庫から探し

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