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【第2章・第11話】『初夜』の回避・前編

last update Date de publication: 2026-02-16 10:26:24

「——という感じで、後はもうとんとん拍子で話が進んでいってくれて、今に至るって訳だ」

「急に端折ったね⁉︎」

「だって、シルト王国での資金調達はモルジャーヌ公爵家を継承したラウエルが私財を投げ打ってまで用意したおかげもあってスムーズにいったとか、有象無象な魔物は各国の代表として参加した騎士や有志の冒険者達が引き受けてくれたから、そりゃもうアッサリと事が進んだとか、また更に長々と聞かされてもつまらないだろう?」

「いやいや、楽しいよ?十分過ぎる程に興味あるよ!冒険譚を聴く的な感じもあるし!」

 ずっと膝の上に座らされたままなレオノーラが必死に訴えたが——

「ボクと兄さん達が、ボクの実の兄姉達と実父を容赦なく殺した話なんか、本当に聞きたいの?」

 と言われて急に押し黙った。

 『魔族』達が今までやってきた行いを思えば『討伐』は当然の事に思えるが、それはあくまでこちら側の視点からの話でしかない。話を聞くに、人々にとって『天災』となった魔族の大半は膨大な知識を受け止めきれずに精神崩壊を起こし、そこに『好戦的』という『当代の魔王が持つ性質』の影響を受けて暴走に至ったようだから、ひっそりと
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  • 独立した末っ子が執愛属性持ち『魔王』になって帰って来た   【最終章・第10話】応接室にて②

    「——さて、今後の方針をもう一つ話し合っておこうか」と言い、アリスターが軽く手を叩く。すると別室に控えていた者が一名、書類の束を持って彼の元へやって来た。それを受け取ったアリスターを見て、アイシャが眉間に皺を寄せて「……あぁー」とこぼしている。「側妃の話かぁ」 レオノーラには聞き慣れない言葉だ。「……そくひ?」と彼女が首を軽く傾げると、カラミタが「ボクが要求したものじゃないよ⁉︎」と慌てて即座に否定した。『カラは、私以外とも結婚するの?』と、一瞬でも思われたくないからだ。「その通り。なので、早とちりをして、勘違いしないで下さいね」(されようもんなら、このリストの女性達とその家族全員殺されてしまうからね) 以前アイシャ達が話していた事と丸々同じ事を考えながら、アリスターが苦笑いを浮かべてそう言い、書類をテーブルの上に置いて咳払いをした。「知っての通り、新たに『魔王』となった『カラミタ』の要求により、『和平の証』として『樹界のヒューマ族』である『レオノーラ』さんと、式はまだだけど、書類上では既にもう婚姻関係を結んだだろう? すると、前々から『和平の証だと言うのなら、各国からも妃を娶るべきだ』という巫山戯た意見が多くあがっているんだ。そもそもカラミタが激しく拒絶しているという大前提は当然全世界の要人達に伝えてはいるんだが、ヒトによっては複数の伴侶を持つ魔族もいたもんだから、『制度的な問題は無い』と判断した一部の者達が勝手に暴走して、側妃の候補者一覧表を我が国に送り付けてくるんだよ。……困った事に一部の女性達はもう、この城にまで来ている。挙式の日も近いから『正妃』を一目見ようという感じかな。そして『コレが相手ならば自分でもいける』と踏めば、彼女らが何をするやら……」 そう告げ、アリスターがそっと額を押さえる。 脳裏に先程レオノーラに心無い言葉を吐いていた女性達の姿が浮かび、カラミタが「あの女共か」とこぼし、猫被りを忘れてチッと舌打ちをした。「当然、ウチらは『カラミタはそんなもん同意しないよ』って何度も突っぱねたんだけどね、利権狙いの奴らは引かず、このまま強引に押し進めていこうとしてるんだよねぇ。既成事実を作ろうと部屋に侵入したり、私物を掻っ攫って魔法による精神操作を狙ったりと、あの手この手ともうウザ過ぎーっ!」 カラミタの横に陣取ったアイシャが、きち

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  • 独立した末っ子が執愛属性持ち『魔王』になって帰って来た   【第2話】『母親』の生い立ち・後編

     これは偶然か、あるいは必然か。 どちらかもわからぬまま世界樹・ユグドラシルの麓にまで到達したレオノーラは、この地を逃亡生活の終着地点と決めた。すっかり人間不信持ちと化していた子供にとって人っこ一人居ないこの地は天国にも等しかったからだ。 この付近は外界を巣食う凶暴な魔物どころか普通の動物すらも生息しない地域ではあるが、代わりに聖獣、精霊や妖精といった他ではほぼいない生き物が数多く暮らしている。それらの存在に目の敵にされたとなれば『流石に此処での生活は無理だなぁ』と彼女は不安を抱いていたが、『幼児』という弱者故にか幸いにして敵視はされず、レオノーラはゆっくりと少しづつ、ヒューマ族としてはあ

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