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last update Terakhir Diperbarui: 2025-10-25 11:08:40

 打ちひしがれる私の元に、湊さんが戻ってきた。

「相沢さん、ここにいましたか。……どうしました?」

「いえ。何でもありません」

 彼は私の様子からすべてを察したようだったが、何も言わない。

 ただ「少し、風にあたりませんか。ご紹介したい方々がいるんです」と言って、私をテラス席へと誘った。

 ひんやりとした夜風が、火照った頬に心地よい。

 テラスの一角には数名の男女が集まって、静かにグラスを傾けていた。

 その中心にいるのは、白髪を後ろに撫でつけた痩身の老人。日本の建築界を牽引してきた大御所の建築家、片桐先生だった。その隣では、若いが辛辣な批評で知られる女性評論家が、面白くなさそうに腕を組んでいる。

 向こう側にいるのは、日本でも有数のデザイナーだ。

 彼らは会場のゴシップには一切興味を示さず、建物の意匠や照明の配置について、専門的な議論を交わしていた。

 湊さんが私を伴ってその輪に加わる。

「先生方、ご紹介します。今回のプロジェクトのデザイナー、相沢夏帆さんです」

 値踏みするような鋭い視線が、一斉に私に注がれた。

 特に片桐先生の目は、私の内面までを見透かすように深くて厳しかった。

「ほう。君が、湊君の肝いりの」

 先生はワイングラスを回しながら、言った。湊さんは頷く。

「今回のプロジェクトで、私が最も感銘を受けたのは、相沢さんの『時間』に対する哲学なんです」

「では、相沢さん。単刀直入に聞こう。君のデザインは、インペリアル・クラウンという『伝統』と、どう向き合うつもりかい?」

 それは私のデザイナーとしての覚悟を問う、本質を突いた質問だった。

 湊さんはただ黙って私を見ている。私自身の言葉を待っている。

 私は一度、深く息を吸った。

 それから自分のデザイン哲学について、語り始めた。

 アンティークチェアが持つ時間の重み、『光の心臓』が照らし出す、人の心の温もり。それらの事々を。

 最初は戸惑いがあったけれど、、デザインの話になると自然と、言葉に熱

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