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16品目:リーピッドの丸焼き

last update Last Updated: 2025-04-19 19:00:53

「そうだ、忘れていた」

 ネイヴァンが急に立ち上がり、木箱の中を探り始めた。エルドリスと僕が訝しげに見つめていると、彼は満面の笑みで振り返る。

「衣装に着替えようじゃあないか」

「はい?」

 と思わず声が出る。

「せっかく死刑囚島《タルタロメア》に来たんだ。いつもの黒い革エプロンじゃつまらん。きみたちそれぞれに合った衣装を用意しておいた」

 ああ、またこの演出家が変なことを言い出した。

 エルドリスが承知するはずがない、と思って彼女を振り向いてみたが、彼女は不機嫌そうに腕を組んでいるだけで、黙ったままだった。

 僕はふと、何度か仲介させられた伝言のひとつを思い出した。

『衣装を用意する』

 ネイヴァンはそう僕に言《こと》づけ、僕はエルドリスに伝え、エルドリスは何も言わなかった。つまりはその時点で”無言は肯定”の承知をしていたのかもしれない。不承不承《ふしょうぶしょう》だろうが。

 ネイヴァンは僕たちとの温度差を意に介さず、木箱の中から衣装を取り出した。

「ほら、エリィの分だ。ちゃんと着るって約束したよな?」

「馬鹿言え、約束はしていない」

「だが、死刑囚島《タルタロメア》にきみを連れてくる条件のひとつと受け取ったはずだ。勘の良いきみならな」

「……チッ、食えんやつめ」

 結局僕もエルドリスも、ネイヴァンの執拗な押しに負けて、着替えることになった。

 衣装はそれぞれ、島の探索に適したものが選ばれていた。

 エルドリスは、黒い狩猟服にマントを羽織り、膝丈のブーツを履いている。動きやすさを重視しながらも、彼女の持つ威圧感を損なわないデザインだ。

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