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31踊目:死へ向かう舞踊

last update Last Updated: 2025-05-01 11:00:18

「ネイヴァン・ルーガスッ!」

 ネイヴァンが立っていた位置でエルドリスが叫ぶ。二人の場所が、入れ替わったのだ。

 ネイヴァンは倒れ、左胸に刺さった槍は、スライムのように溶けて逃げていく。その槍の抜けた穴から尋常じゃない量の血が溢れ出す。

 左腕の痛みを、一瞬で忘れた。

 僕はほぼ反射的にネイヴァンへ駆け寄り、回復魔法を発動した。だが初歩の初歩たる教科書魔法だ。山火事にコップ一杯の水をかけ続けるようなもの。燃え尽きるスピードの方が圧倒的に早い。

「虚の脈息《ルクス・エヴィータ》」

 エルドリスの手がかざされて、真っ赤な胸の穴が、濃い白の光に包まれる。

「回復魔法では間に合わない」

 延命魔法だ。これでネイヴァンは、30分は生き長らえる。だが延命魔法は"致命傷を負っていても一定時間生きられるようにする"だけで、"致命傷を治す"わけではない。だからその30分の猶予期間に回復魔法で傷ついた臓器を――穴の開いた心臓を治療しなくては。

 白い光が消え、血の止まったネイヴァンが、「やってくれるじゃねえか」と呟きながら上体を起こす。

「ネイヴァンさん、まだ動いては――」

「ああん? 殺されかけて泣き寝入りしろってぇ?」

「治ったわけじゃないのは、その痛みでわかっているでしょう!?」

「さあな。どういうわけか、大して痛くねぇんだ」

 エルドリスの延命魔法は、命の期限を延ばすだけの魔法。かつて彼女が『30分クッキング』の視聴者に向かい『痛覚には何ら影響ない』と語ったとおり、痛みは消えていないはず。本来ならば起き上がるどころか話すことすら、呼吸すら辛いはずなのだ。

 その痛みを超越しているのだとしたら、それは大量出血による血圧の急低下やアドレナリ

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     その夜、僕たちは黙々と七体の魔物を調理し、七本分の映像を完成させた。 火ぶく鳥《カロリーバード》の丸焼き がらん牛《ホロウブル》の低温ロースト 風のやどり猫《ウィスプキャット》の薄造り 〜春風のカルパッチョ〜 とげ花かさ《スパイクフラワー》のスパイスチップス 〜香る凶花の小皿〜 ぬめりカメ《グラッジタートル》のとろとろ粘鍋仕立て けむりサル《スモーグモンキ》の壺燻製 〜猿煙の晩酌セット〜 まどろみ虫《ネンネムシ》の茶碗蒸し 〜夢路の一匙〜 最後の食レポを撮り終えたころには、東の水平線がうっすらと白み始めていた。夜明けだ。「さーて……クランクアップだな」 ネイヴァンが空を見上げて伸びをする。「帰りは俺の転移魔法でいいか? こんな朝早くから第七監獄《グラットリエ》に転送檻の起動を依頼するのも面倒だろ」 来るときにはネイヴァンの転移魔法を信用できないと言っていたエルドリスが、何の抵抗もなく頷いたのが印象的だった。 僕たちはネイヴァンによって、第七監獄《グラットリエ》へと送られた。 この島への感慨などない。僕は一刻も早く悪夢から覚めたい思いで、エルドリスを先に飛ばしたネイヴァンの手が肩に触れるのを待った。 眩暈のような感覚のあと、戻ってきたのは朝日の見える窓ひとつない地下調理場だった。ひやりと湿った空気と、廃棄処理係の手腕をもってしても除ききれなかった僅かな血の臭い。 悪夢から覚めても、また悪夢。 間もなく転移してきたネイヴァンへ、なぜこんな場所に飛ばすんだと非難交じりに尋ねてみると、至極まっとうな答えが返ってくる。「仕方ないだろう。エリィを囚人の活動区

  • 生きた魔モノの開き方   34願目:帰りたい

    「空間旅行《ホップステップ》」 僕の肩に手を触れたネイヴァンが呪文を口にした瞬間、視界がぐにゃりと歪み、気がつくと僕は黒い砂浜へと戻ってきていた。正午を過ぎた太陽が黒い砂浜に反射して眩しい。生暖かい潮風は、相も変わらず腐臭交じりのしょっぱい臭いがする。 僕より先に転移していたエルドリスは、調理人の性《さが》なのか、早くも調理台の前に立っていた。 間もなくネイヴァンが転移してくる。彼は、「こんな場所でもホームって感じだな」 と同意を求めて僕を見たが、僕は素直にそうですねとは返せなかった。 第七監獄《グラットリエ》に帰りたい。 頭の中でそう思って、実に皮肉な一文だなと笑えた。配属が決まったときには絶望すらした最悪の職場。凶悪犯が収監され、本土から隔絶された孤島の監獄。 そうだ、世間からまったく切り離されているという点で、第七監獄《グラットリエ》は死刑囚島《タルタロメア》と似ている。けれども今の僕にとっては、あれほど嫌っていた第七監獄《グラットリエ》が故郷のように懐かしい。 ネイヴァンは僕の微妙な反応を深刻には捉えなかったらしく、揚々とエルドリスのほうへ歩いていった。そして彼女の手元を覗き込み、大声で僕を呼ぶ。 一体何だというんだ。 この期に及んで面倒事はごめんだった。早く帰りたい。そればかりが思考を支配する。「どうしたんですか?」「おい、これ見てみろよ、新人君」 ネイヴァンとエルドリスの視線の先、潮風に吹き上げられた黒砂にまみれた調理台の上に、何かが置いてある。 皺が寄り、黄ばんだ紙。そして、その上に重石のように置かれた――木製のナイフ。

  • 生きた魔モノの開き方   33声目:「イオルク」

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