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第3話

ผู้เขียน: 秋葉橙
陸斗の顔は真っ赤に上気し、肩で息をしている。今にも意識を失って倒れそうなほどだ。

柚葉がすぐに焦った様子で私の腕を掴んできた。

「お姉ちゃん、お願いだから一旦、外に出て。辰哉と陸斗のことは私が看病しておくから。落ち着いたら、私もすぐ自分の家に帰るわ。ね?これ以上、二人を刺激するのはやめてあげて」

目の前で繰り広げられる、三人のあまりにも拙い茶番劇。それを見ているだけで、胃の底から激しい吐き気がこみ上げてくる。

私は彼女の手を振り払った。溜まりに溜まった怒りが、まさに爆発しようとした、その時だった。

視界が急に暗転した。

意識が遠のく中、彼らが声を潜めて言い争うのが微かに聞こえた。

「どうしよう、お姉ちゃんが倒れたわ!」

「病院に連れて行くわけにはいかない。精密検査でもされて、体に異常が見つかったら……おしまいだ」

そこから先の記憶はない。

次に目を覚ました時、私はホテルのベッドにいた。

私が目を開けるなり、柚葉はこれ以上ないほど心配そうな顔を作った。

「お姉ちゃん?気がついたの!ああ、よかった……本当に死ぬほど心配したんだから!」

私は上体を起こした。頭が割れるように痛む。

「……どうして、ここにいるの?」

彼女は温かい水が入ったグラスを差し出し、わざとらしく溜息をついた。

「お姉ちゃん、さっき急に正気を失って、幻覚を見ていたみたいなの。

わけのわからないことを口走って、外にまで飛び出して大騒ぎするから……もう、誰も手が付けられなかったんだから。

辰哉からパニックになった電話を受けて、ひとまずここに連れてきたのよ」

彼女はそう言いながら、自分のスマホを差し出してきた。

画面の中で「私」は髪を振り乱し、発狂したように自分の服を破り捨てていた。

誰もいない空間に向かって泣き叫び、罵っている。その姿は、完全に理性を失った狂人そのものだった。

だが、AIで加工された映像だと示すタグが、一コマだけ消し忘れられている。もしそれを見つけていなければ、私自身、あやうく自分の正気を疑うところだった。

まさか、これほど周到な準備をしていたのだ。

柚葉はスマホを引っ込め、憂いに満ちた目で私を見つめた。

「お姉ちゃん、前に紹介した心療内科の先生のところには行ってないの?状態は、私が思っていたよりずっと深刻みたい……」

その親身を装った顔を見て、吐き気がこみ上げてくる。

私はまだ頭痛がひどいふりをして、弱々しくこめかみを押さえた。

「……思い出せないわ。頭がふらふらするの。少し一人にさせて」

柚葉は私の表情を観察し、私が嘘を信じたと確信したのか、安堵の色を浮かべた。

「そうね、ゆっくり休んで。私は仕事に行くけど、夜には私が腕を振るって、栄養たっぷりのおじやを作って持ってくるわね。しっかり食べて、精をつけてもらわなきゃ」

彼女の姿がドアの向こうに消えるのを見届けるなり、私は一刻の猶予もなく部屋を飛び出した。

向かう先は、最寄りの総合病院。目的は血液検査だ。

確かにここ最近、自分の精神状態は異常なほど過敏で、情緒不安定が続いていた。

ふとした瞬間に涙が止まらなくなったり、感情の抑制が効かなくなったり……

辰哉と陸斗の「アレルギー」を心配するあまり、鬱にでもなったのだと思い込もうとしていたが、今となっては背筋が凍る思いだ。

あの二人、私に何かを盛ったに違いない。

特に柚葉だ。私が家を出てからというもの、彼女はほぼ毎日、手作りのおじやを届けてくれていた。

病院で結果を待つ間、佳純から電話が入った。

通話ボタンを押した瞬間、彼女の激昂した声が響いた。

「寧々!あなたのあの妹、人間の皮を被ったとんでもないクズだわ!

調べがついたわよ。あいつ、辰哉ともう六年越しでデキてる!」

心臓がドクリと跳ね、そのまま凍りつくような感覚に襲われた。

間髪入れず、佳純から大量の資料が送られてきた。

辰哉から柚葉への多額の振込記録に、ラブホテルの宿泊履歴……

そして、柚葉がSNSで密かに綴っていた裏アカウントのリンク。

そこには、柚葉の日記がびっしりと投稿されていた。辰哉との、六年に及ぶ不貞の記録がこれでもかと赤裸々に記されている。

そこには、彼女が私の結婚式で新郎の辰哉に一目惚れした経緯が、おぞましいほど饒舌に綴られていた。

私も同じ場にいるというのに、あの二人がどうやって密かに視線を交わし、人知れず愛を囁き合っていたのかまでも。

私の指が、四年前のある投稿で止まった。

【猛烈な台風の夜。お姉ちゃんは妊娠五ヶ月で、つわりがひどくて寝込んでる。そんな中、彼はわざわざ家を抜け出して、私に会いに来てくれた。ただ、私が「会いたい」って言っただけで】

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