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第十二章:空を駆ける刃、風の訓え

작가: fuu
last update 최신 업데이트: 2025-06-27 12:00:20

〈フリューゲル〉――風と雲に抱かれた天空都市。

地上とはまるで別世界。

白と青を基調にした都市は、どこを歩いても心地よい風が流れていた。

だが、その風は気まぐれでもあった。

「ようこそ、よそ者さん。」

空から聞こえる声に、リィナたちが顔を上げた。

現れたのは、銀髪の少女――フィア。

背に羽はない。だが彼女は、風を纏うように軽やかに宙を舞っていた。

彼女の足元で回転するのは、奇妙な形のブーメラン。

それは自らの意思で空を舞い、彼女を支えていた。

「彼が、神の武器……ブーメランの“コウジ”さん。」

「あいあい、お初にお目にかかります~。元気にしてましたか、異世界生活!」

ブーメランが飛びながら喋った。

その声は軽薄で、妙に現代的だった。

「いやぁ、まさか死んで転生したら武器になるとはね!もうね、保険も利かない世界ってほんと困るよね。まぁ、会社に出勤しなくて済むだけマシか!」

「……テンション、高くない?」

ルークがぼそりと呟く。

「気にするな。あれはたぶん、恐怖を隠すために喋り続けるタイプだ。」

アベルの冷静な分析が入った。

「さて、早速だけど――空の戦いってのを、身体で覚えてもらおうか!」

フィアが叫ぶと同時に、彼女とコウジは一気に上昇する。

「ルーク、リィナ!ついて来い!俺たちのブースト使え!」

カイルの指示で、魔力で滑空する魔導板が展開される。

「お、おおおおおおおっ……!」

地上が遠ざかる。風が顔を叩く。

視界が開け、都市全体が見下ろせる場所で、空中の訓練が始まった。

「空の戦いで重要なのは、“位置”と“風”だ!」

フィアの声が風を裂く。

「ブーメランは斬撃じゃない。“軌道”そのものが武器になる。見てなさい!」

彼女がブーメランを投げる。

一度離れたブーメランが、ぐるりと回り、

訓練用の魔物人形を三体、同時に貫いた。

「……すげぇ。物理と魔力の応用……まるでドローンみたいだな。」

銃が感心したように呟く。

「褒められた!照れるぅ~。」

コウジの声が空に響いた。

空中での戦闘に、リィナたちは次第に順応していった。

地上とは異なる、落下と風圧の感覚。

三次元の思考。

空を支配する者との連携。

終わる頃には、誰もが息を切らしながらも、確かな手応えを感じていた。

「空を……飛べた……。」

リィナが、嬉しそうに笑った。

その横で、フィアも同じように笑っていた。

「君たち、なかなか筋がいい。……次の戦いで、空を選べるようになるよ。」

こうして“神のブーメラン”とその使い手フィアが仲間に加わった。

彼らの旅は、空の風とともに、さらに高みへと向かっていく――

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