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第五話

Author: 響優香
last update publish date: 2026-08-05 03:00:00

翌朝、柔らかな朝日が寝室に差し込む中、エルゼはこれまでにないほど身体が”軽い”感覚で目を覚ました。

いつもの頭痛も、肌を滑る不快な感覚も、今は驚くほど静まっている。

「おはよう、エルゼ。気分はどうだい?」

枕元には、既に着替えを済ませたアルベールと、彼に寄り添うように立つエレノアがいた。

「おはようございます。お兄様、お姉様。……不思議、です。今日は身体が痛くなくて……!」

「ふふ。それは良かったわ。アルベール様が夜通しあなたの魔力を整えてくださっていたのよ」

「そうだったんですね……ごめんなさい、お兄様……」

しゅんと俯くエルゼに、アルベールは優しく微笑み、頭を撫でる。

「気にしないで、エルゼ。ごめんなさいよりも、エルゼにはありがとうって言って欲しいな」

「あ……ありがとうございます、お兄様」

「いいんだよ。エルゼが元気になるのは、僕にとって一番嬉しいことだ。……そうそう、エレノア」

「ええ、用意していますわ」

エレノアがエルゼのベッドに歩み寄り、持っていたベルベットの小さな箱の蓋を静かに開け、エルゼに見せる。

中にはアルベールの髪を煮溶かしたような細い銀に、昏く紅い魔石が飾られた指輪が収められていた。

「わぁ……綺麗……」

「さあ、エルゼ。私たちからのプレゼントよ。これを嵌めれば、あなたのその不安定な魔力も今みたいに安定するでしょう」

「……これを、私が……? いいのですか……?」

エルゼは、あまりにも美しい指輪に気後れしてしまう。

「もちろんだよ、エルゼ。さあ、自分の手で嵌めてごらん」

エルゼは促され、その白く細い中指に指輪を滑らせた。

カチリ、と。

指に嵌った瞬間、エルゼの脳裏を正体不明の寒気が走り抜ける。

「……ぁ、れ……? なんだか……指が熱く……」

「おめでとう、エルゼ。これでエルゼは僕たちの永遠の妹だよ」

「えいえん、の……? お兄様、意味がよく……」

兄たちの様子に戸惑うエルゼ。

「わからないわよね。でも、エルゼ。あなたは知らなくてもいいのよ。大丈夫。いつも通り私たちがあなたを可愛がることに違いはないもの」

「ああ、その指輪は僕たちとエルゼの”約束”の指輪なんだ。ずっと一緒にいられるように、とね」

エルゼの顔がパッと明るくなる。

「”約束”します! 私もお兄様とお姉様と、ずっと一緒にいたいです!」

「ああ、”約束”、だ」

アルベールはエルゼの頭を抱き込み、口付けを落とす。

いつもよりも体調が良く、はしゃぐエルゼには、これから何が起こるのか、想像すらできていなかった。

「少し元気にはなったけど、指輪の力が馴染むまで無理をしてはいけないよ」

「そうね。朝食の後は少し眠った方がいいわ」

アルベールとエレノアの優しい言葉にエルゼは素直に頷く。

「はい。無理をしないよう気をつけます。お兄様、お姉様」

三人は穏やかに朝食を摂り始める。

だが、エルゼの指に嵌った”隷属の指輪”には、すでにアルベールの思念によって、密かに命令が下されていた。

(【指輪:ゆっくりと発情】)

最初はただ身体がポカポカと温かく、体調が良いだけだと思っていた。

しかし、食事が進むにつれて、下腹部がドロリと重く疼き始める。

(なんで……? 魔力がまだ不安定なのかしら……でも、きっと休めば治るのよね……?)

湧き上がる得体の知れない快感を必死に抑え込もうとするあまり、エルゼの手は震え、楽しみだった三人での朝食が、まったく喉を通らなくなってしまった。

「食が進んでいないね、エルゼ。……やっぱり本調子とは言えないようだ。寝室に戻ろうか」

アルベールはエルゼの異変に気付かないフリをして、そっと抱き上げた。

そのままエルゼの寝室へと運び、エルゼを柔らかなシーツに横たえる。

「ごめんなさい、お兄様……折角の朝食だったのに……」

「いいんだよ。きっと少しずつ良くなっていくから、いつだって一緒に食事できる。……これから僕たちは用事で出かけるけど、エルゼはゆっくり休むんだよ?」

額に口付けを落とし頭を一撫ですると、アルベールはエレノアと共に部屋を出ていった。

一人残された静かな寝室。

眠ろうと目を閉じれば、余計に身体が疼く。

少しずつ身を焦がされ、眠るどころではなくなっていった。

「んっ……はぁ……」

もじもじと脚を擦り合わせ、快感を得ようと動くが、昂ぶっていくだけで発散はできない。

しかしエルゼは幼い頃から、「自ら身体を慰めるのは、ふしだらな淫乱のやることだ」と、厳しく教育されていた。

(どうしたら……! お兄様……お姉様……助けて……っ)

一向に疼きが治まらず、ついにエルゼはそっと自身の胸に触れてしまう。

「……っ、ああっ……!」

服の上から軽く触れただけで、全身に電撃が走った。

「んっ……、はぁ……はぁ……」

(もう少し……もう少しだけなら……)

エレノアにされた”治療”をなぞるように、ブラウスの上から胸の尖りを指先でつまみ、カリカリと引っ掻く。

「ああぁ……っ!!」

そのたびに火花が散り、視界がチカチカと明滅する。

「あっ……あぁ……っ!!」

(もっと……もっと……っ!)

いつしかエルゼは大胆にブラウスの前をはだけ、剥き出しになった先端に直接指を這わせる。

羞恥や罪悪感が綯い交ぜになり、ただひたすら快楽を求めていった。

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