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第576話

Author: 栄子
雲水舎は家族全員がいつも一緒にいて賑やかだが、文子は綾のことが気がかりだった。

実の母親ではないけれど、今は澄子よりも綾の今後を心配している。

澄子は今や子供のような知能レベルしかなく、むしろ綾に依存している方なのだ。多分記憶がないからだろう、綾のことまで気に掛ける余裕はなさそうだ。

夜も更け、皆が次々と部屋に戻って休んでいった。

綾も二人の子供を寝かしつけた。

すると、軽くノックの音がした。

綾は立ち上がってドアを開けた。

ドアの外にいた文子は、小さな声で「子供たちはもう寝たかしら?」と尋ねた。

「たった今寝たところよ」綾は部屋から出てきて、文子の腕に抱きついた。「文子さん、眠れないの?」

文子は綾を優しい眼差しで見つめ、「久しぶりに会ったから、少し話をしたくて」と言った。

綾は穏やかな声で、「二人で何か飲む?」と提案した。

文子はワインを飲む習慣があり、綾も会社を継いでから、宴会や接待に出席する機会が増え、お酒に強くなっていた。

「ワインはどう?美容にもいいし、よく眠れるようになるわよ」

「ええ、そうしよう」

......

1階のダイニングで、綾はワイ
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