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第582話

Author: 栄子
若美は頷いてから、もう一度尋ねた。「じゃあ、また海外に行かれたりします?」

要は綾の方を見て、「いいえ、その予定はありません。これからは北城にずっといますので」と言った。

綾はケーキの最後の一口を食べ終え、空になった皿を持って立ち上がった。「じゃ、ゆっくりしてて、私は先に失礼します」

綾が帰るのを聞いて、若美は慌てて追いかけようとした。「綾さん、ちょっと待ってください......きゃっ!」

綾は若美が自分を呼ぶ声を聞いて立ち止まった。しかし、勢い余ってぶつかってしまい若美はそのまま悲鳴を上げて椅子に座っていた要の方へ倒れていった。

綾はとっさにテーブルにつかまり、何とか体勢を崩さずに済んだ。

「綾!」

「二宮社長!」

要と大輝は同時に叫んだ。

大輝は真っ先に立ち上がり、綾の傍まで行った。「大丈夫ですか?どこか怪我してないですか?」

綾は足首を痛めた。

しかも、かなりひどいようだ。右足に力を入れると、鋭い痛みが走る。

綾が何か言うよりも先に、大輝は彼女を横に抱きあげた。「病院へ連れて行きます」

「石川社長、降ろしてください――」

「安心してください。病院で診て
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