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第717話

作者: 栄子
オンライン会議の結果、撮影は1ヶ月中断することになった。これが制作側の限界だ。

1ヶ月後、杏はギプス姿で撮影に復帰し、激しいアクションシーンはスタントを使い、その他はクローズアップで対応することになった。

これが、双方にとって最善の対応策だった。

杏はそれを聞いて、とても感激し、自ら綾に電話でお礼を言った。

綾は彼女に「ゆっくり静養して」と言った。

杏は、制作側と会社の期待に応えることを何度も誓った。

電話を切り、綾は運転している大輝に視線を向け、「小林さんはいい子ですね」と言った。

突然の暴風雨で、R市は一気に夜へと変貌した。激しい雨はフロントガラスを叩きつけ、ワイパーの動きも忙しかった。

雨のせいで車は徐行運転をしていた。

綾の言葉を聞いて大輝は微笑んで、「あなたは彼女に入江さんの面影を見ているんでしょう。だけど、人はそれぞれ違うんですよ」と言った。

綾は少し驚いた。

大輝は全てお見通しだったのだ。

「社長として、私情に流されてはいけません。小林さんには野心があって、有名になりたいんです。だから、どんなチャンスも見逃そうとしないんです。あなたに取り入ることも
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