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第114話

作者: 雲間探
凜音は言った。「ここまで来たら、あのエメラルドのジュエリーセットに優里がもう手を出さないことを願うしかない」

玲奈も同じことを考えていた。

しかし……

ありえるだろうか?

エメラルドジュエリーの開始価格は2億だ。

誰かが3億円で値をつけた。

玲奈が二番手で札を上げた。「3億6000万」

「4億」

「5億」

優里が入札してこないのを見て、玲奈と凜音はほっと息をついた。けれど、彼女がもう一度札を上げようとした時、優里がまた札を上げた。

「10億」

「!」

会場中に驚きの声が上がる中、優里は平然と手を下ろした。

玲奈は拳を握りしめ、少し考えてから札を上げた。「12億」

「13億」

「14億」

そこまで聞いて、玲奈の胸はまだ迷いで揺れていた。

おばあさんの七十歳の誕生日は滅多にないこと、もし16億なら――

そんなことを考えていたその時、優里が再び札を上げた。「24億」

玲奈の胸がぎゅっと詰まり、呼吸を整えると、静かに手にした札を下ろした。

みんなはもう智昭の財力のすごさを目の当たりにしていたからだろう。

ここまで来ると、もう誰も値をつけようとはしなかっ
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