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第1130話

Author: 風羽
離婚後、彰人は雲城市へは向かわなかった。

半月ほど経った頃、雲城市から一本の電話が入った。

発信者は鈴音本人だった。

声はやけに明るく、ぜひ雲城市で会いたい、大切な話があるのだと言う。

彰人はいつものことだと思った。

鈴音は昔から彼に甘え、そばにいてほしがる。

今回も、その延長に過ぎないのだろうと。

手元の仕事を片づけ、彼は雲城市へと飛んだ。

その日は夕焼けが空一面に広がる黄昏時だった。

鈴音はすでに退院しており、相変わらずあの別荘に住んでいた。

どこか死んだような空気をまとい、彰人が足を踏み入れるたび、気分は重くなったものだ。

鈴音との関係は決して楽ではなかった。

――だが、今日は明らかに違っていた。

別荘の内外は見違えるほど整えられ、新しい家具まで増えている。

特に、床まで届く窓辺にはペダル付きの電子ピアノが置かれていた。

一目で高価だと分かる代物だ。

以前の鈴音なら、六百万円近いピアノなど、決して買わなかった。

ましてや、彼女には――脚がない。

それは彼女自身が最も触れられたくないものだったはずだ。

それなのに。

鈴音はベッドに伏していなか
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