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第276話

作者: 風羽
周防家の書斎は、かつて周防祖父の私室だった。

その静謐な空間に、父子二人だけが向かい合っていた。

香炉には松の香が淡く漂い、京介は慎ましく線香を手向ける。遺影に向かい、どこか神妙な面持ちを浮かべていた。

その脇で、礼が唐突に口を開いた。

「京介、白石家の娘の件、お前とは関係ないと誓え。お爺さんの前で、きっぱり誓ってくれ。それで俺はお前を信じる」

京介は目を伏せた。

そして、わずかに口元を緩めた。「父さん、いつから彼女のことを気にかけるようになったんですか?」

礼の目が鋭く光る。「もともと好きじゃなかったさ。お前も知ってるだろう。だがこれは、お前のために言ってるんだ。関与していないと、はっきり証明してくれ」

京介は一歩下がり、遺影を見上げた。低く呟くように言った。

「父さん、ご心配には及びません。白石音瀬の死に、俺は関係ありません。昔は、死なせないように一応守ってやってました。でも今は、もう庇う気もない。あんな狂気の巣窟で、事故が起きたって何の不思議もありません」

礼はじっと息子を見据える。その目には疑念と信頼が交錯していた。

やがて、口の端に微笑を浮かべてぽつりと
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コメント (1)
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千恵
過去の行いはクズ過ぎたけど、これからは脳腫瘍無くなって家族皆んなで健康に笑顔で過ごして欲しい!! 残された子供達が可哀想だもん。 双子ちゃん達と両親、まだ一緒に暮らして1年も経ってないじゃんよ!
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