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第552話

Auteur: 風羽
澄佳がカフェで待っていたが、五時になっても翔雅は現れなかった。

彼女は見切りをつけ、そのまま店を出た。

ところが、地下駐車場で思いがけない光景に遭遇する。

男はほかでもない、翔雅だった。

彼は女にしつこく抱きつかれており、泣き濡れた顔が背中に押しつけられている。だが翔雅の表情には、一片の同情もなく、むしろうんざりした色が濃かった。

澄佳は心の中で少し溜飲を下げた。

——覗くつもりじゃなかったけど……面白いものが目の前に転がり込んできたわ。

女を見間違うはずもない——香坂詩織。芸能界のトップ女優だ。

かつて翔雅と交際していたのは公然の事実。

二年も前に別れたはずなのに、今さら復縁を迫っているらしい。

だが不思議ではない。女優にとって究極の夢は、財閥への嫁入り。翔雅ほどの財力と容姿を兼ね備えた男を、簡単に諦められるはずがない。

——笑わせるわね。彼だって女優を囲ってるじゃない。

澄佳は腕を組み、気楽に観客席を決め込んだ。

——見なきゃ損、ってところね。

女は泣きすがり、縋るように翔雅の胸に顔を埋めている。

翔雅は苛立ちを隠さず、ふいに振り向いた。

そこに映っ
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