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第983話

مؤلف: 風羽
朝倉家と岸本家の縁談は破談となった。

長男である寒真がその報いのすべてを一身に背負った。

祖父である仁政から、激しい折檻を受けたのだ。

当然、不甲斐ない失態を演じた弟の寒笙も逃げられるはずがなく、二人並んで正座を命じられ、容赦なく打ち据えられた。

その騒動がようやく収まったのは、深夜のことだった。

夜も更け、寒真と寒笙の二人は病院の救急外来から出てきた。

一歩外へ踏み出すと、冬の夜気はより一層深く、冷たい空気が肌を刺した。

不意に、寒真の拳が寒笙の顔面を猛然と殴り飛ばした。

凄まじい力に、寒笙は数歩よろめき、ようやく踏みとどまると、口の端に滲んだ血を乱暴に拭って笑った。

「兄さん……僕を殴るのは、どうして暴露したのか、どうして口にしたのかと腹を立てているからだろう?でも、言わなきゃ僕が狂いそうだったんだ」

寒真の声は、冷淡そのものだった。

「……それで、今は満足か?」

本当なら、寒笙と徹底的に殴り合いたい気分だった。

だが、そんな気力も心の余裕も今の彼には残っていなかった。ただ、すべてに絶望し、燃え尽きたような虚脱感だけが支配していた。

寒真は傷だらけの体で、いつも使っているマンションへと車を走らせた。

車を止めたが、彼は降りようとしなかった。

マンションの階段のたもとに、一人の細い影が座り込んでいたからだ。

――夕梨だった。

真冬の夜は、凍てつくように冷たい。

ダウンジャケットに身を包んだ彼女は、寒空の下で全身を震わせていたが、彼を見つめる瞳は、雨に洗われた後のように清らかで澄み渡っていた。

彼が降りてこないのを見て、彼女はゆっくりと立ち上がり、車の方へ歩み寄ってきた。

寒真が彼女を注視すると、目尻がじわりと熱くなった。

ドアが開き、長い脚が車外へ踏み出す。彼は振り返らずにドアを閉めた。

月光の冴えわたる下で。二人は向かい合って立った。婚約は解消され、別れは済んだ。

もはや、赤の他人だった。

寒真が口を開いた時、その声は淡々として冷ややかだった。

「荷物を取りに来たのか?もしそうなら、車の中で三十分待っていろ。三十分でまとめさせて下に持ってくる。ドアの鍵は開けておくよ……」

言い捨てて、彼は彼女の横を通り過ぎ、マンションのエントランスへ向かおうとした。

「寒真……」

夕梨が彼の腕を掴んだ。

細く白い指が彼
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