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第4話

작가: 瞳を携えて
付き合い始めた頃、時彦は、私がさまざまな化石を集めるのが好きだと知っていた。

しかし、彼が野外から持ち帰った化石は、毎回、紗月の手に渡った。

私は怒ったこともあるし、「これは私のためじゃなかったの?」と聞いたこともあった。

だが、紗月が目を赤くして、申し訳なさそうに謝り、返すと言いながらしょんぼりと肩を落とすと、時彦は眉をひそめて私に、譲れと言った。

ケチだな、妹分相手に物を取り合うなと。

そして、次はもっといいものを持ってくると言った。

そのうちに、私は欲しいと思うこと自体、やめてしまった。

その「自惚れた優しさ」の言葉にも、もう何の魅力もなかった。

私は返事をせず、携帯を切り、そのまま眠りに落ちた。

翌朝目を覚ますと、リビングはぐちゃぐちゃで、いくつものクッションが床に投げ出されていた。

明らかに、昨夜、時彦は帰ってきたらしい。

テーブルの上には一枚のメモが残っていた。

【優未、最後のチャンスをやる。午後二時、空港に来て見送れ。俺は待ってる】

乱れた筆跡、紙を破りそうなほど力強い字。

子供染みた脅しのようだった。

子供か?

ため息をつき、私はその紙をゴミ箱に放り込んだ。

そして黙って腰をかがめ、床のクッションを一つずつ元の位置に戻した。

調査隊は明日まず飛行機で南米へ向かい、それから船でアマゾンへ向かう。

そろそろ、私自身の荷物もまとめる頃だった。

……

二日後、南米・ウシュアイアの港。

時彦は落ち着かない様子で埠頭を歩き回り、苛立ちを抑えられないでいた。

二日間だ。丸々二日。

空港で優未を最後の最後の瞬間まで待ち続け、影一つ見えないまま出発する羽目になっただけでなく、この二日間、優未からは一通のメッセージも、一本の電話もなかった。

まさか、今回ばかりは、南極から戻るまで冷戦を続けるつもりなのか?

「土屋さん、どうしたの?顔色すごく悪いよ」

紗月が近づき、額に手を伸ばそうとした。

「何でもない」

時彦は苛立ちを隠しきれずに避け、気のない声で答えた。

視線は人の群れへ向けられたまま、絶えず探していた。

そして突然、彼の視線は止まり、柔らかく揺らいだ。

少し離れたところで、優未が軽装のアウトドアウェアを身に着け、キャリーケースを引きながら港へとゆっくり歩いてくる。

時彦の胸は、一瞬で歓喜に満たされた。口では偉そうなことを言っても、結局こうやって追って来るじゃないか、と。

全ての苛立ちと不安が一気に吹き飛び、時彦は大股で優未へ向かって歩き出した。

歩きながら、こっそり襟を整えたりして。

ついに人の波を抜け、時彦は優未の目の前に立ち、勝ち誇った笑みを浮かべた。

「やっぱり俺のところへ来たんだな。

優未、やっぱり俺のこと、惜しいと思ってるんだろ」
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