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1.大嫌いな常連客④

ผู้เขียน: 鷹槻れん
last update ปรับปรุงล่าสุด: 2025-08-03 07:00:44

 私をぐちゃぐちゃにかき乱すそういう言動の数々、大っ嫌い。

 私は基本的に異性に対する耐性が、ものすごく低いの。

 なのにこの人の過剰なまでの距離感のなさは、私には毒にしか思えない。

 小さい頃からずっと地味子できたから、異性と話したことなんて数えるぐらいしかないの。

 だからお願い、そっとしておいて?

 私が気負わずにおしゃべりできる男の子はたった一人だけなんだから。

 そこでふと、今は何だか少し気まずい雰囲気になってしまっている幼なじみのお兄さんの顔が思い浮かんで、私は思わずうつむいた。

 私より六つ上の彼は、今や立派な社会人。

 公立の小学校で先生をやっている彼――本間《ほんま》信昭《のぶあき》――に憧れて、私は大学で学校の先生を目指して日夜勉学に励んでいると言っても過言ではない。

 生活費の足しにしたくてアパート近くのコンビニでバイトはしているけれど、それ以外はちゃんと真面目に勉強しているの。

 それもこれも、憧れの人の背中に少しでも近づきたかったから。

(のぶちゃん、あれから会えてないけど元気かな……)

 とか考えていたら、眼前の最低男が、頬に触れていた手を髪に移動させてグイッとおさげを引っ張り上げてきた。

「痛いっ!」

 未だ触れたままだった彼の手にギュッと力を込めて抗議の声を発したら、「凜子、今、別の男のこと考えてただろ?」って睨まれる。

 私の何をそんなに気に入ってくれたのか分からないけれど、ひとつだけ言えることがある――。

「そんなのあなたには関係ないっ」

 そもそも名前を呼び捨てにされる覚えなんてない。

「なぁ、今、凜子の前にいるのは誰だ?」

 私の抗議なんて聞く耳を持たないみたいに、自分の言いたいことをガンガン押し付けてくる彼がすごく苦手。

 嫌で嫌でたまらないのに、私は何故か気がつくといつも彼のペースに巻き込まれてしまっている。

「あなただけど……」

「名前」

 あなた、と呼んだら再度おさげを引っ張られて名を呼べ、と要求された。

「と、鳥飼《とりかい》さん」

 ちゃんと要求通り言ってあげたのに、盛大な溜め息をつかれた。

「凜子、鳥飼はうちの一族みんなの称号な? 俺は俺自身の名前を呼べって言ってんだけど?」

 言われて、私はキョトンとしてしまった。

 言われたセリフを頭の中でゆっくり転がして、意味を理解したら何だか自然と口元がほころんだ。

 だってこの人、こんなにチャラチャラしているくせに、変なところにこだわるんだなって思ったらおかしくて。

 一族の名前だろうと何だろうと、私の周りにいる鳥飼さんは眼前の彼だけなんだけどな?

 私がそれ想定であなたを指して「鳥飼さん」って呼ぶんじゃ、ダメなの?

 ああ、だからか。

 だからこの人は私の下の名前をあんなに執拗に知りたがったのね。

 自分に対してそう思うってことは、多分他者に対してもそう。

 私は「向井《むかい》」って呼ばれるんで一向に構わないのに、変な人。

 そう思ったら急にストンとあれこれが腑に落ちて、パズルのピースが全部揃ったみたいな爽快感を覚えた。

 曲がったことが嫌いな私は、こんなふうに理由付けが得られると妙に安心してしまう。

 自分でも難儀な性格だなって思うけど、それが私なんだから仕方ない。

 私の目の前にいる彼同様、私も見た目に見合った性格の、四角四面な面白味のない女です。

「……奏芽《かなめ》さん。私の前にいるのは鳥飼奏芽さんです。――これでいいですか?」

 面倒くさいけれど、チャランポランで基本理解し難い鳥飼奏芽という男の、ちょっぴりだけど自分にも理解できる部分を発見できた私は、名前ぐらいは彼の望み通りに呼んであげてもいいかなと思った。

 ムスッとしたままの彼――奏芽さん――が、ようやく私の髪の毛を離してくれてホッとする。

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