Share

101話

Author: 籘裏美馬
last update publish date: 2026-03-15 18:32:38

まるで、嵐のような慌ただしさ──。

想像しさが無くなったあとには、リビングに静寂が戻る。

唖然としていた髙野辺は、誠司と胡桃が出て行った玄関に目を向け、信じられないとでも言うように呟いた。

「──社外秘の内容じゃないか……。こんな、俺みたいな部外者がいる前で話す内容じゃない……」

髙野辺の呆れたような声がリビングに落ちる。

全くその通りだ。

もみじは髙野辺に顔を向け、苦笑い混じりに謝罪した。

「申し訳ないです、髙野辺さん。その……あの子はまだ学生気分なもので……」

「若いとは言え……社会を知らなさすぎます……彼女のような子供を、どうして新島さんの夫は会社に関わらせて……?」

全く理解が出来ないのだろう。

髙野辺の表情は、今まで見た事がないほど呆然としていた。

「デザインが流出なんて……社の命運を握る大事だ。……経営者ならそれくらい──」

ぶつぶつ、と呟いていた髙野辺は、そこまで言葉にしてはっとして口を噤む。

(新島さんは俺を一般社員だと思っているんだった……衝撃的な展開過ぎて、危うく口を滑らす所だった……)

髙野辺はほっと胸を撫で下ろしたが、誠司も胡桃も
Continue to read this book for free
Scan code to download App
Locked Chapter
Comments (1)
goodnovel comment avatar
リコリス
流石高野辺さん。人を見る目あるわ。どっかの誰かさんと違って。
VIEW ALL COMMENTS

Latest chapter

  • 私の夫は義妹のために99回離婚を切り出した   151話

    誠司とのメールで、実家の家事手伝いに関しては平日だけと、落ち着いた。 土日も実家に行って家事をしていたら、もみじは自分の仕事が遅れてしまう、と思いそれだけは拒否したのだ。 誠司も休みは必要だと思ったのか、渋々といった体ではあるが、土日は実家に行かないと言うもみじの要求に頷いた。 「お義母さんも、私を一日中拘束する訳じゃないものね……」 もみじと両親──、特に後妻である義母とはあまり良い関係では無い。 だが、それもそうだろう。 実の母親から父親を奪った女性なのだ。 不倫をした父親の事はもちろん許せないし、嫌いだがそれでも妻子が居る男に手を出した義母が、もみじはどうしても好きになれない。 大人になった今だからこそ表面上は何とか付き合ってはいるが、それでもギスギスとした関係なのは仕方がないだろう。 「……あの人の血を受け継ぐ胡桃も……、結局は人の物が好きなのかしらね」 胡桃も、結局は不倫をしているのだ。 しかも胡桃の場合はもっと酷い。 半分だけではあるが、血の繋がった姉から旦那を取るのだから、母親よりタチが悪い。 「まあ、誠司なんてもう別にどうでもいいけど……」 胡桃と誠司ほど、お似合いのカップルはいないのでは、ともみじは本気でそう思っている。 「気は重いけど……行かなきゃまた誠司にうるさく言われるし……。離婚、離婚までの辛抱よ」 もみじは自分に気合いを入れるように言い聞かせ、頬をぺちぺちと叩くと実家に行くために準備を始めた。 ◇ 支度を済ませ、タクシーに乗って実家に向かう。 車で1時間かからない場所に、もみじの実家はある。 インターホンを押したもみじの前に現れたのは、もみじの義母であり、胡桃の実の母親である嶋久志 桔梗(しまくし ききょう)。 桔梗は、40歳を超えたと言うのに未だに若々しく、美人だ。 艶々の黒髪に、真っ赤な唇。 つん、と吊り上がった目尻の、美人だ。 桔梗はもみじを見るとふん、と鼻で笑い口を開いた。 「ああ、やっと来たわね。まったく、昔っからあんたはグズでとろいんだから。家中の掃除をしといてくれる?私はこの後出かけるから、勝手に帰らないでね。私が戻ったらチェックするわ」 「──お出かけ、ですか?どちらに?」 「……あんたには関係ないでしょう?私が見ていないからってサボらないでちょうだい。綺麗に掃除し

  • 私の夫は義妹のために99回離婚を切り出した   150話

    〈もみじ、お前!外でみっともない事をするな!〉 「──え?藪から棒に何よ?」 突然そんな事を言われ、もみじはむっと眉間に皺を寄せた。 〈ネットでお前がバイトをしている画像が出回ってる!俺の妻がバイトなど、みっともない事を外でするな!そんなに家事をしたいのなら、俺が帰るまではお義母さんの所で家事手伝いをしろ!〉 「──え?画像……?」 〈とぼけても無駄だからな。お前が小汚いカフェの従業員として働いている画像がネット上に上がっている。お前は社長夫人の自覚が無いのか!?こんなみっともない事をして、俺に恥をかかせるな!〉 「──なっ」 〈いいか、絶対にお義母さんの所に家事をしに行け!そうしないとお前の生活費用のカードを停めるからな!〉 「ちょ、ちょっと誠司──」 もみじが言い返そうにも、そこで誠司の一方的な電話はぶちり、と切れてしまった。 「なに、どう言う事……?」 寝起きのぼうっとした頭は上手く働いていない。 だけど、その中でも誠司がもみじに対して言っていた言葉は分かる。 「カフェ……、バイト……?」 そこまで呟いたもみじは、昨日のあの件の事だとピンとくる。 店員が火傷をしてしまって、2時間ほど手伝ったのだ。 あのカフェを良く利用している常連だからこそ、困っている店員を無視出来なかった。 それに、あの時店内に居たお客達も皆好意的で、手伝ってくれる人達だっていた。 「けど、中にはそんな風に好意的じゃない人も居るわよね……」 もみじはぽつり、と呟き「やってしまった」と額に手を当てる。 「別に誠司の言う事を聞かなくてもいいけど……」 そうしたら、生活費のカードは停められてしまう。 そうなってももみじには十分な蓄えがあるから、困る事はない。 だが、それはもみじが誠司と結婚する前から築いたデザイナーSeaとして得たお金だ。 カードを停められても、問題なくもみじが暮らしていると知れば。 誠司は疑問に思うだろう。 そして、Seaとして稼いだお金の事を知られたら。 「そんな危険な真似は出来ないわね……。お義母さんの家の家事手伝いくらいなら、別にどうって事ないわ。せいぜい数時間でしょう」 それなら、実家の家事をしに行く方が遥かに安全だ。 もみじは溜息を付きつつ、誠司に返

  • 私の夫は義妹のために99回離婚を切り出した   149話

    胡桃は再びシャワールームに入ると、急いで自分の母親の名前を呼び出し、電話をかけた。 数コールで電話に出た母親に、胡桃は弾む声で話し出す。 「もしもし、お母さん?」 〈ええ。元気にやってるの、胡桃?〉 「うん、元気元気。誠司が常に私の傍に居てくれるからね」 〈ふん……良くやったわ。早くもみじと誠司が別れて、胡桃と一緒になってくれるといいんだけど……〉 「それももうすぐ実現するわよ、きっと。でね、それよりお母さんに朗報よ」 〈なに?〉 「お姉ちゃん──もみじを、家事手伝いで実家に行かせる事になるわ」 〈もみじを?〉 「うん。誠司が帰国するまで、もみじをこき使ってやればいいわ。それと、もみじが実家にいる間に、お母さんはもみじの家に行って、死んだ母親の未発表のデザインを盗んで」 〈だけど、鍵が……〉 「それなら大丈夫。私が鍵の番号を知ってるから、いつでも入れるわ」 〈本当!?それなら、舞奈のデザインを盗む事が出来るわね。良くやってくれたわ、胡桃!〉 「ふふふ。私に出来ない事はないわよ。そのデザインを盗んで、私の作品だと発表すれば誰もが認めるデザイナーになれるし、私が偽物のSeaだってふざけた事を言っている奴らを黙らせる事が出来るわ!」 〈ええ、ええ。そうしなさい。死んだ女のデザインなんて使ってやれば良いのよ〉 「そう言う事だからお母さん、もみじがそっちに行く事が決定したらまた連絡するわね」 〈ええ、待ってるわ〉 「はーい、じゃあまた!」 そう言って通話を切った胡桃は、にんまりと笑みを浮かべた。 ◇ 一方、もみじの寝室。 早朝に、もみじのスマホが着信を知らせる。 「んん……もう、また何事……?」 もみじはころり、とベッドの上で寝返りを打ち、スマホを手に取る。 すると、スマホの画面に表示されていた名前を見て、もみじは顔を顰めた。 「何でまた誠司から……」 無視をしてしまおうかと思ったもみじだったが、暫く出ないでいてもずっと電話は鳴り続けている。 「ああ、もう……!眠いのにっ」 もみじはこれを無視しても執拗く電話されそうで、それは嫌だと判断して渋々電話に出た。 「もしも──」 〈遅い!何をぐうたらと寝ているんだ!?そっちはもう朝だろう、俺がいないからと言ってだらしなくなっているんじゃないか!?もみじ、お前はこの間か

  • 私の夫は義妹のために99回離婚を切り出した   148話

    ◇ 「やだー、何これ面白ーい♡」 胡桃は歪んだ笑みを浮かべながら、その投稿にハートを送ると、誠司が居るであろう寝室に向かった。 とんとん、と軽い足取りで寝室の扉を開けて仕事をしている誠司の背中に抱きついた。 「ねえねえ、誠司。私、凄く面白い投稿を見つけたの」 「……それは良かったな。今は仕事で忙しい、その話は後でにしてくれるか、胡桃?」 胡桃の方へ振り向く事なくパソコンに向いたままの誠司に、頬をぷくっと膨らませた胡桃はずいっと自分のスマホを誠司の目の前に出した。 「お姉ちゃん、バイトを始めたみたいよ?こんな事を許していいの、誠司?」 「──バイト?もみじが?」 もみじの名前を出された誠司は、パソコンに向いていた視線を胡桃のスマホに向けた。 胡桃のスマホ画面を見た誠司の目に、カフェ店のエプロンをつけて飲み物を運ぶ姿のもみじが映っている。 その姿を見た瞬間、誠司の眉間が不愉快そうにぐっと顰められた。 「もう、お姉ちゃんったら誠司のお嫁さんだって自覚がないのかなぁ。誠司ほどの男の人のお嫁さんなのに、外で働いたりして……みっともなーい」 「……そうだな」 「ねえ、誠司。今後、誠司のお嫁さんはお姉ちゃんだって分かるでしょ?その時に誠司ほどの凄い男の人の奥さんが、カフェでバイトをしてたってバレちゃったら……恥ずかしくない?」 胡桃は誠司を覗き込み、まるで心配している風を装い、助言する。 「きっとお姉ちゃん、誠司がいなくて暇だし、寂しいのよ」 「もみじが、寂しがってるのか?」 「ええ、きっとそうだわ。いえ、絶対にそうよ。お姉ちゃんは誠司の事が大好きなんだから!」 「そう、か。そうだよな。だからこそこんな風に毎日俺のために食事や服を手配してくれてて……」 「そうそう。だから、誠司がいなくて暇なお姉ちゃんには、実家の家事手伝いをしてもらうのってどう?」 胡桃はいい事を思いついた、とばかりに自分の両手を合わせて可愛らしく誠司に微笑んで見せる。 「お母さんも私が海外に出ちゃって……お姉ちゃんも誠司と結婚したから家を出ちゃったから、きっと今は家で寂しい思いをしてるかも……」 だからね、と瞳を潤ませて胡桃は誠司に懇願する。 「誠司が帰国するまで、お姉ちゃんに実家の家事手伝いをしてもらったらどうかな?そうすればきっとお母さんも喜ぶし、お姉ちゃ

  • 私の夫は義妹のために99回離婚を切り出した   147話

    そうこうしている内に、火傷をしてしまった店員が申し訳なさそうに戻ってきた。 「お客様方に手伝わせてしまい、大変申し訳ございません……!」 「腕の火傷は大丈夫ですか?」 「はい。沢山冷やしましたので、大丈夫です!」 元気よく答える店員だが、どう見ても腕の火傷は痛そうだし、人手が足りなく今すぐ病院には行けなさそうだった。 その間、色々と手伝ってくれていた女の子達はぺこぺこと頭を下げ、店員に謝罪をすると店を出て行ってしまった。 その女の子達を見送りつつ、もみじは考えていた事を店員に告げる。 「……店員さんは、その腕だとグラスを運べませんよね?もし良ければ運ぶくらいでしたら、お手伝いしますよ?テーブルの番号とかは覚えていないので、教えていただく事になると思いますが……」 もみじの申し出に、店員は恐縮してしまい、必死に断っていたが、キッチンに居たこの店の店長だろうか──。 その男性が出て来て、もみじに申し訳なさそうに話しかける。 「すみません、お客様。片付けの手伝いをしていただいた上に、そのような有難いお心遣いまで……」 「店長……!」 「もしよろしければ、お言葉に甘えさせていただいてもよろしいですか?ほんの2時間、2時間だけお手伝いいただいても……?」 「店長、それは──」 「だが、君はその腕だ。品物を運べないだろう?それより、いつも来て下さっている常連のお客様がお手伝いを申し出て下さっている。お言葉に甘えさせていただこう」 女性が必死に店長の言葉を止めようとしているが、店長はもみじに手伝ってもらえるのが有難い雰囲気だ。 もみじは店長の言葉に頷き、答えた。 「もちろんお手伝いしますよ。お店のエプロンをした方がいいですよね?どちらにありますか?」 「──ありがとうございます!お詫びはしっかりとさせていただきますね。エプロンはこちらです……!」 店長はそう言うと、困ったようにおろおろしている女性に顔を向けて告げる。 「ほら、君は病院に行ってきなさい。あと2時間もしたら次のシフトの子が来てくれるから」 「て、店長……すみません。お客様にも、ご迷惑をおかけしてしまい、申し訳ございません」 深々と頭を下げる女性に、もみじは慌てて両手を振った。 「いいえ、大丈夫ですよ。早く病院に行ってください」 そうして、もみじが店長に案内されてお店

  • 私の夫は義妹のために99回離婚を切り出した   146話

    女の子達の叫び声と、食器類が大きな音を立てて落ちて、割れる。 中にはホットの飲み物もあったのだろう。 店員の腕はホット飲料をまともに浴びてしまっていた。 「ごっ、ごめんなさい──!」 「だ、大丈夫です……っ」 女の子達が真っ青な顔で店員に謝罪をする。 店員もすぐに返事をしたが、店員の顔色はどんどんと悪くなって行く。 その様子を見たもみじは、迷わずに席を立つと店員の元に向かった。 「大丈夫ですか?腕、火傷していますよね?すぐに冷やした方がいいと思います」 「あ、ありがとうございます。申し訳ございません、お客様に……」 「いえ、お気になさらず」 もみじと店員が話している間も、他の店員が出てくる気配が無い。 もしかして、今日は店員の数が少ないのだろうか。 カウンターに居る他の店員は、他のお客への対応で手一杯。 心配そうにこちらに顔を向ける様子が見えるが、レジにはずらり、と人が並んでおり1人で捌き切るのには大変だろう。 なら、中には──。 そう考えたもみじが顔を向けようとした所で、火傷をした店員が痛みに耐えるような顔をしつつ、口を開いた。 「申し訳ございません、本日は中には1人しかおらず……。お客様にご心配をおかけしてしまい、申し訳ございません。すぐに床を片付けますので──」 「火傷をした腕で!?今すぐ冷やしに行ってください!」 「あっ、あのっ!ごめんなさい、床の掃除は私がやります……!」 ぶつかってしまった学生の女の子が今にも泣きそうな顔でおろおろとしつつ声を上げる。 「で、ですがお客様に──」 「あら、それじゃあ一緒に片付けましょう?すみません店員さん、掃除道具はどこですか?」 店員が断る前にもみじは言葉を遮り、店員に掃除用具がある場所を聞く。 「店員さんは早く腕を冷やしてください。火傷は早く冷やさないと治りが遅いですよ」 さあさあ、ともみじが店員を促すと、ぶつかってしまった女の子とその友人達が床に落ちて割れてしまったグラスを片付けようとしゃがみ込んだ。 「──あ!駄目よ、出て触れたら!硝子の破片で切ってしまうわ!」 そんな様子を見たもみじは、慌てて女の子達を止める。 そして、もみじは自分のバッグから厚手のハンカチを取り出すと、散らばってしまった硝子を集め始めた。 店員に許可を取り、紙ナプキンを貰ったもみじは

  • 私の夫は義妹のために99回離婚を切り出した   18話

    「何から何まで……本当にすみません」 「いえいえ。気にしないでください。むしろ、このタイミングで降りて来て良かった。あなたが転んでしまいそうな所で咄嗟に受け止められて良かったです」 男性は、優しい声でもみじに告げる。 運転をしているため、もみじと視線は合わない。 だが、男性の表情はとても優しくて。 優しくもみじに声をかける彼からは、純粋に思いやりが感じられた。 もみじは先程まで誠司に酷い言葉をかけられ、誠司にぶつかられて大怪我をしてしまったが、怪我をした人を放っておけない、こんな優しい人もいるんだ、と知ってほっと安心した。 誠司の会社では、皆がもみじを冷たい目で見ていた。

    last updateLast Updated : 2026-03-19
  • 私の夫は義妹のために99回離婚を切り出した   20話

    もみじが案内された場所は「特別室」とプレートがかかっている個室。 個室に通されたもみじは、ぎょっと目を丸くして傍らに立つ髙野辺に顔を向けた。 「た、髙野辺さん……」 特別室などに案内された事は、初めてだ。 何だか普段よりも病院の対応もとても丁寧で、もみじは逆に不安を覚えた。 「大丈夫ですか、新島さん?もしかして、痛みが悪化しています?」 だが、髙野辺はもみじの態度を、痛みが悪化しているからだと勘違いした。 彼が案内してくれた受付の人間を見ると、受付の人間はさぁっと顔色を悪くさせ、慌てた様子で頭を下げた。 「申し訳ございません、ただ今医師が向かっております、今暫くお待ちくださ

    last updateLast Updated : 2026-03-19
  • 私の夫は義妹のために99回離婚を切り出した   17話

    扉が開き、エレベーターを待っていた人達は、もみじとその男性の姿を見て、驚いた。 その中には、男性の姿を見てぎょっと目を見開き「しゃ──」と呟いた人がいたが、その人物に向かって男性は鋭い視線を向けると、緩く首を横に振った。 そして軽く顎をつい、と上げた仕草だけで何かを察したその男性は、もみじ達がエレベーターから完全に降りる前に、駆け足でビルを出て行った。 だが、もみじは歩く度に痛む足首に、痛みを耐える事に必死になっていて、男性2人のそんなやり取りには全く気が付かなかった。

    last updateLast Updated : 2026-03-19
  • 私の夫は義妹のために99回離婚を切り出した   16話

    どさり、ともみじの体が倒れ込んだ先は、男性の腕の中だった。 ふわり、と香る男性の香水。 鼻に届いたのは、どこか刺激的だけど爽やかでもあって、もみじは急いで男性から離れようとした。 「すみませ……っ、ありがとうございます」 ぐっ、ともみじが男性の胸を押すと、素直に男性はもみじの体を離した。 だが、離れた事でもみじの顔が良く見えるようになり、そこでもみじの額を流れる血を見て更に慌てたように声を出した。 「額から血も出ていま

    last updateLast Updated : 2026-03-18
More Chapters
Explore and read good novels for free
Free access to a vast number of good novels on GoodNovel app. Download the books you like and read anywhere & anytime.
Read books for free on the app
SCAN CODE TO READ ON APP
DMCA.com Protection Status