Share

第3話

Auteur: ハリネズミちゃん
その後の数日、私は実家に戻り、医師から処方された鎮痛薬に頼って日々をやり過ごす。

真吾は、珍しく何通もメッセージを送ってきた。

【紗月、どこに行った。家に誰もいない】

【あの別荘は俺が使う。瀬奈が気に入っていて、結婚後の新居にしたいらしい。お前は別の物件を選べ。どれでも買ってやる】

【時間がある時に、私物を取りに来い】

……

【明後日には離婚届を出す。忘れずに来い】

病状が悪化してから、私はよく眠るようになった。たまに目を覚ましても、スマホの振動音に起こされるだけで、うんざりしながら画面を確認し、短く返した。【分かった。荷物は全部捨てていい。もう連絡しないで】

それ以降、真吾から連絡は来なくなる。

やはり彼は私を気にかけてなどいない。生きて離婚できるかどうか、それを確認したかっただけ。

離婚届を出す二日前、私は一度だけL市に戻った。天気が良かったので、厚手のコートを着て外を歩く。まさか、バーで瀬奈たちに出くわすとは思ってもいなかった。

彼女のそばには、真吾の仲のいい友人たちがいる。私を見るなり、全員が一瞬固まった。

「紗月さん」

瀬奈だけは嬉しそうに駆け寄り、私の手を掴む。

強い力に顔色が一気に青白くなり、私は振り払って眉をひそめた。「触らないで」

瀬奈は数歩後ずさりし、ひどく傷ついた顔をする。

その様子を見て、真吾の親友である小栗健人(おぐり けんと)が口を挟んだ。「瀬奈さん、気にしないで。あいつはヒステリー女で、誰にでも噛みつく」

真吾に執着してきたこの数年で、私の評判はとっくに地に落ちている。そう思われても、不思議ではない。

私はテーブルの酒を手に取り、健人の顔にぶちまけた。

彼は悲鳴を上げる。「紗月、頭おかしいのか」

「今さら気づいたの?」

睨み返すと、健人は口をつぐむ。私が本気で暴れたら、何をするか分かっているから。

「何をしている?」

入口から真吾が入ってくる。黒いコート姿で、私の着ているものと同じデザイン。

それは、かつて私が二人分買ったものだった。

「真吾、見て。この女、また瀬奈さんをいじめてる」

「違うわ、健人。そんな言い方しないで」

瀬奈が真吾の腕を掴む。「こんな所で紗月さんに会うなんて、偶然だね」

「偶然なものか。瀬奈さんは知らないだろうけど、紗月は有名なしつこさだ。真吾を尾行して来たのかもしれない」

私は冷たく睨む。「それ以上喋ったら、口を裂く」

「何だよ。事実だろ。お前は真吾に執着してただけで……」

私はグラスを健人に投げつけ、そのまま飛びかかり、口元を掴む。

床にひざまずいて許しを乞うまで、手を離さなかった。

「紗月、いい加減にしろ。もう関わらないって言っただろう。離婚間近なのに、やっぱり後悔したのか?それとも……金が足りないのか?」

真吾は慣れた手つきで財布からカードを取り出し、私に差し出す。「中に6億円入って、補償として渡す。離婚後も、さらにまとまった金が入る。後半生は困らない。もう俺に近づくな」

彼は随分と自信過剰だ。私は、人生の最後の時間を彼に費やすほど愚かではない。

もっとも、金はもらえるならもらう。

私はカードを引ったくり、瀬奈の嫉妬に歪んだ視線を横目に、ポケットへしまう。

「真吾、覚えておいて。これは私が受け取って当然のもの。

これからは、私を見かけたら遠回りして」

振り返ると、彼の友人たちは思わず後ずさる。

さっきまでの勢いは消え、すっかり臆病者だ。

今の私に体力があれば、何度でも相手をしてやったのに。

テーブルの強い酒を掴み、一気にあおって店を出る。

「狂人だ、本当に狂ってる」

背後から、そんな声がかすかに聞こえた。

外では雨が降り始めている。私は薄い雨の中へと歩き出し、秋の気配の中に溶けていった。
Continuez à lire ce livre gratuitement
Scanner le code pour télécharger l'application

Latest chapter

  • 紗月の遺書   第9話

    秋の墓地は、荒れ果てて、もの悲しい。枯れた木々には、数枚の葉だけが心細く残り、風に揺れている。冷たい風が唸るように吹き抜け、墓地を悲しみのオーラで包んでいるかのようだ。真吾は、私の墓碑の前に座ったまま、まるで時間に縛られたかのように動かない。ときおり、目だけがわずかに動くが、その表情は虚ろだ。朝から夜まで、夜からまた朝へ、墓地の職員が声をかけるまで動こうとしなかった。その声で、彼の意識は、遠くから風に乗って戻ってきたようだった。一晩過ぎ、瓶の酒はすっかり冷え切っている。それでも彼は迷いなく持ち上げ、一気に喉へ流し込む。そして、私の骨壺を抱え、ふらつきながら立ち上がった。背後で、墓地の職員が感慨深げに言う。「このご夫婦、本当に仲が良かったんですね。奥さんが亡くなって、丸一日一晩、墓前に座り続けるなんて」「ええ、こんなに真摯な愛情、今どき珍しいですよ」そうだろうか。残念だけれど、彼らは勘違いしている。人は慣れ合えば倦み、そばにいるときには大切にしない。死んでから、どれだけ装っても、何の意味があるというのだろう。その後、私の遺骨は真吾の手で海へ撒かれた。生前、私は彼に言っていた。自由に憧れている、死んだら必ず海に撒いてほしい、と。遠くの海鳥と一緒に、風に揺られたいのだと。遺骨が海へ消えたとき、私もまた消えた。死後とは、ただの虚無だ。すべてが終わる。この世に、もう紗月はいない。……【真吾・番外編】遺骨が撒かれ、想いも断たれた。あの日以来、真吾は大病を患った。顔色は青白く、体はさらに痩せ、まるで別人のようだ。かつての面影は、どこにもない。多くの人が、彼を見舞い、言葉をかけた。「真吾、もう手放したほうがいい。もしかしたら、紗月はもう生まれ変わって、幸せに暮らしているかもしれない」「そうだよ。出会いも別れも縁だ。縁が尽きたなら、前を向くべきだ」「君は彼女に十分尽くした。もう、何も負い目はない」真吾は答えない。ただ、黙って窓の外の木の梢を見つめている。L市の冬は、訪れるのも去るのも早い。厳しい冬が過ぎると、すぐに初春が来て、枝先には新しい芽が吹く。ときおり、小鳥が飛んできては、賑やかにさえずる。その音が、真吾を15年前の春へと連れ戻した。彼らは高校の教

  • 紗月の遺書   第8話

    数日後、真吾は私の葬儀を執り行った。夫としての立場で。彼は、当時私が病気だとは知らなかったという理由で、裁判所に離婚申請の却下を求めた。葬儀は盛大なものとなり、L市中の人間が集まった。かつて真吾のそばで私を嘲笑っていた連中も、例外ではない。彼の仲の良い友人たちだ。彼らは口々に、前を向け、あまり悲しむなと真吾を慰める。正直、慰める必要はないと思う。彼は放っておいても前を向く人間だ。私のために孤独や寂しさに耐えるような男だとは、どうしても思えない。どうせ形だけだ。瀬奈も姿を見せていた。ほんの数日で、大病を患ったかのようにやつれている。かつての華やかさは、影も形もない。彼女は真吾のもとへ行こうとしたが、健人に止められた。「瀬奈、今の真吾の気持ちを考えたら、会うべきじゃない」瀬奈は苦笑を浮かべる。「一目見る資格すら、もうないの。長い付き合いだったのに」健人はそれ以上何も言わず、瀬奈も中へは入らなかった。葬儀の空気は重く、厳粛だ。誰かの声が聞こえる。「若いのに、気の毒だな」「もう離婚していたのに、元夫が葬儀まで出すなんて、義理は通してるね」「本当に、世の中は無常だ」それは確かに。私自身、真吾が葬儀を出してくれるとは思っていなかった。当時は離婚状態だったのだから、無視してもよかったはずだ。野ざらしにされなかっただけでも、上等だと思っていた。まさか、ほんの少しとはいえ、まだ情が残っていたとは。葬儀が終わり、弔問客を一人ずつ見送ったあと、私の遺体は火葬に回された。残ったのは、わずかな灰だけ。私の墓は、祖母の隣に建てられ、寄り添うように並んでいる。それから数日間、真吾は毎日私の遺骨を抱え、墓碑の前に座って話しかける。風の日も雨の日も、彼は動かなかった。やがて訪れる回数は増え、体つきは目に見えて痩せていく。かつての意気揚々とした面影はなく、髪は乱れ、無精ひげが伸び、目は赤く腫れている。唇は乾いてひび割れ、目の下には濃い隈が浮かぶ。「紗月、また来たよ」彼は口元をわずかに引き、かすれた声でそう言う。その声は、晩秋の風にさらわれていく。その頃から、私の姿も次第に薄れていく。きっと、私ももうすぐ去るのだ。彼は墓碑の前に腰を下ろし、お酒を取り出し、飲みながら話し

  • 紗月の遺書   第7話

    真吾は私の体の前に伏せ、過ちを悔い改める。彼は何度も何度も、すまないと言い続けている。「ごめん、紗月。全部俺が悪い。お前が病気のときに離婚なんてするべきじゃなかった。許してくれないか?起きて殴っても罵ってもいい。全部受け止めるから。だから、起きてくれ。この前、俺を苦しめるって言っただろ。なのにお前は亡くなった。俺を苦しめるなら、ちゃんと起きないとだろ。もうからかわないでくれ。起きてくれ。起きてくれるなら、何でも言うことを聞く」……彼は取りとめもなく語り続ける。過去のこと、今のこと、そして未来のこと。でも、聞いている私にはただ滑稽に思える。未来なんて、最初から存在しない。私たちはもともと未来のない関係だ。これだけ長い間お互いを傷つけ合ってきたのに、別れたなら喜ぶべきじゃないのか。真吾は本当に異常だ。まさか死体フェチでもあるのか、私の手にまで触れてくる。彼の涙がぽたぽたと落ち、私の掌を濡らす。彼は何度も私の名を呼ぶ。「紗月、紗月。目を覚ましてくれ。もう二度と喧嘩しない。もう外で他の女を探したりしない。お前を怒らせない。起きてくれ。ちゃんと一緒に生きよう。もしこれが悪ふざけなら、お前が勝った。俺はお前を大切に思ってる。だから起きてくれ」本当に神経がわからない。私は顔色を失って横たわっているのに、まだ悪ふざけだと言う。もし私が首を吊っていたら、彼はブランコに乗っていると思ったのだろうか。真吾は私の亡骸の前で長い間泣き続け、医師に引き離されたとき、私の手は彼の鼻水と涙でべとべとになっていた。また一つ、彼への嫌悪感が増す。ほどなくして、私が死んだという知らせが広まる。多くの人が嘆き、メディアはこぞって報じた。【衝撃 かつてのL市の悪妻が静かに死去 玉木真吾が悔恨】大きなレッテルを貼られたものだ。もう死んで魂はふわふわしているのに、体だけがやけに重い。投稿の注目度は一気に上がり、コメント欄は騒然とする。【えっ?紗月ってあの性格最悪な女が死んだの?つい最近まで元気だったよね】【そうそう、数日前に玉木たちを一人でボコボコにしたって投稿見たけど、あの戦闘力で死ぬ】【舌なめずりしすぎて自分の毒で死んだんじゃない?】【こんなに早く 以前は暴力沙汰で何度もトレンド入りしてたのに】…

  • 紗月の遺書   第6話

    「もう、私と結婚するつもりはないの?」瀬奈の声は、かすかに震えている。彼女は首を振り、目元が赤く染まる。「そんな……やめるなんて、急すぎる。お父さんもお母さんも、友だちも、みんな待ってるのに。どうしてこんなに簡単に、私たちの結婚を捨てられるの。紗月さんがいなくなったから?確かに、あなたたちは長い間一緒にいた。でも、私だってずっとそばにいた。長い間、あなたに合わせて芝居をしてきたのに、どうして……」「芝居だって、自分で言えるんだな」真吾の声は落ち着いているが、どこか荒涼とした響きを帯びている。瀬奈の涙は止まらない。そうだ、最初から全部が芝居だった。ただ、彼女だけが深くのめり込んでいただけだ。「二億円ちょうだい」「いい」真吾は即答する。かつて私が離婚を切り出したとき、彼があっさり同意したのと同じだ。瀬奈は泣きながら外へ飛び出す。十月末の秋で、夜の空気は冷たい。健人はまだ帰らず、物陰に身を潜めていた。泣き崩れながら走り去る彼女を見て、追いかける。「どうだった?」「終わった。真吾とは完全に終わり」その言葉を口にした瞬間、瀬奈は崩れるように泣き出す。乱暴に涙をぬぐい、もう以前の体面はない。「彼は私を愛してない。最初から最後まで、一度も。彼が愛してるのは、ずっと紗月さん。でもどうして、まだ愛し合ってるのに、別れなきゃいけないの?一緒にいられるかもしれないって、希望を持たせたのに」夜風が吹き抜け、やけに物寂しい。彼女は言う。真吾が愛しているのは私だと。私は信じない。彼が私を愛するはずがない。憎まれているだけだ。十五年一緒にいて、結婚生活は十年。互いへの愛情は、日常の中ですり減っている。祖母が亡くなった年、彼は斎場の前で花火を打ち上げ、私が孤児になったことを祝った。それ以来、頼れる人間は彼しかいない。いや、違う。彼も私の拠り所ではない。その後、彼の父親が病気で入院し、私は病院に乗り込み、酸素チューブを引き抜いた。そのことで激しく争い、収拾がつかなくなる。愛情は少しずつ、確実に消えていった。かつての甘い恋人同士は、相手の死を願う敵に変わる。今の私は死んでいる。彼は喜ぶはずだ。「これから、どうするつもり?」健人の言葉は、冷たい風にかき消される。瀬奈は鼻をす

  • 紗月の遺書   第5話

    「あり得ない。ついこの前まで会っていたんだ。あんな自己中心的な女が、何かあるはずがないだろう」真吾はなおも信じようとせず、取り乱したように食い下がる。しかし返ってきたのは、冷え切った声だった。「その時点で、彼女はすでに末期でした。無理をして、あなたと離婚手続きをしに行ったのです。本来なら、抗がん剤治療を受けていれば、あと二か月ほどは生きられましたが……残念ですね。結婚式の最中だとは思いますが、ご遺体の安置はあと三日が限界です。三日後には、こちらで処理します」そう告げて、医師は電話を切った。健人は状況が分からず、首をかしげる。「どうしたんだ?」「紗月が……紗月が、死んだ」真吾は胸元のコサージュを引きちぎり、式場を飛び出した。知らせを聞いた瀬奈も慌てて追いかけ、彼の腕を掴む。「真吾、もうすぐ式が始まるのよ。どこへ行くの?」「離せ」真吾は車のドアを開ける。「嫌、離さない」瀬奈は必死に縋りつく。「紗月のことでしょう。でも、もう離婚したじゃない。真吾、彼女はあなたを愛してない。分かってるでしょう。彼女が大事なのは、お金だけよ」「黙れ」真吾は彼女を振り払い、車に乗り込む。エンジン音とともに車は飛び出し、瀬奈は数歩追いかけて転んだ。私は、彼女のヒステリックな叫び声を聞いた。風に乗って、遠くへ散っていく。真吾は猛スピードで病院へ向かい、医師から私の死亡通知状を受け取る。彼の手は震え、紙をまともに持つことすらできない。「違う……あり得ない!これはまた紗月の悪ふざけだ。彼女を出せ。今すぐ出せ!紗月はどこだ?紗月!」真吾は廊下で叫び、次々と病室の扉を開けて回る。「玉木さん、何度も言っています。紗月さんはすでに亡くなっています。どうか、敬意をお持ちください」医師は不機嫌そうに言い、彼を納得させるため、私のカルテと入院記録を差し出した。私は、真吾の表情が、怒りから驚愕へ、そして無言へと変わっていくのを見ていた。彼が涙を流し始めたのには、正直驚いた。涙がぽたぽたと紙に落ち、文字を滲ませる。遅れて瀬奈たちも到着し、泣き崩れる真吾の姿に、皆が言葉を失う。「どういうことだ。紗月は……本当に死んだのか?」健人は呆然と呟く。真吾は病院の廊下にしゃがみ込み、何があっても立ち去ろうとしない。

  • 紗月の遺書   第4話

    家で一日中横になって過ごし、目を覚ました時には、すでに翌朝になっていた。真吾からの電話とメッセージは、夜通し途切れることがない。早く来て、離婚届の手続きをしろと催促する内容ばかり。私は医師から処方された鎮痛薬を手に取り、一気に十数錠飲み込む。必要な時だけ使うようにと念を押されていたが、役所で突然口から血を出すわけにはいかない。今日の役所は、やけに人が少ない。天気のせいだろうか。まだ九月の終わりだというのに、冷たい風が肌を刺す。「行こう」私は入口に立つ真吾に声をかける。彼は私をじっと見つめ、ふいに言った。「顔色がひどく悪いな」「あんたに関係ない」その一言で、真吾はようやく黙った。特に揉めることもなく、手続きはあっという間に終わる。私たちは前後して役所を出た。瀬奈が駆け寄り、真吾の腰に抱きつく。二人は再び役所の中へ入っていった。本当に、最低な男、待つ気すらないのね。朝から薬を飲みすぎたせいか、胸が重く、血が一気に込み上げる。私は突然、大量の血を吐いた。胸の奥が、焼けつくように痛む。そのまま地面に倒れ込むと、すぐに人だかりができる。誰かが叫ぶ。「応急処置できる人はいませんか」「救急車を呼んで」意識はどんどん遠のき、血は口と鼻から止めどなく溢れ出す。人は増え続ける。朦朧とする意識の中、人垣の隙間から真吾の姿が見えた。彼は何かを感じ取ったかのように、視線を越えて私を捉える。血は止まらない。遠くから、救急車のサイレンが近づいてくる。彼がこちらへ歩いてくるのが見えた。一歩、また一歩、もうすぐ人の輪を越える、その時。「真吾」瀬奈が後ろから現れ、彼の腕にすがる。「行こう」真吾は一度だけ私を見て、視線を逸らす。そして瀬奈と並んで、そのまま去っていった。背中は、どんどん遠ざかる。私の意識は薄れ、耳に届く音も消えていく。三日三晩の懸命な救命処置の末、私は助からなかった。医師は私の遺体を前に、深いため息をつく。「覆ってください」誰かの手が白い布を引き上げ、私の顔を覆う。魂は身体から抜け出し、自分の遺体が霊安室へ運ばれていくのを、ただ見つめていた。その頃、真吾は瀬奈と結婚式を挙げている。彼の顔には、結婚の喜びは一切ない。代わりに浮かぶのは、焦り。「どうだ。紗月

Plus de chapitres
Découvrez et lisez de bons romans gratuitement
Accédez gratuitement à un grand nombre de bons romans sur GoodNovel. Téléchargez les livres que vous aimez et lisez où et quand vous voulez.
Lisez des livres gratuitement sur l'APP
Scanner le code pour lire sur l'application
DMCA.com Protection Status