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第613話

Author: 藤原 白乃介
二人は車を走らせ、そのまま病院の監視室へ向かった。

モニターには、あの車のナンバープレートが映し出されていた。

俊介はすぐさま秘書に調査を指示した。

佳奈は呆然とモニターを見つめ、映っている二人の誘拐犯を凝視していた。

彼女の両手は強く握りしめられ、拳は白くなるほどだった。

何度も映像を再生するうちに、その手にはますます力がこもっていく。

ふと、彼女の目が一人の犯人の耳に留まった。

そこには黒いピアスがついていた。

佳奈ははっきり覚えていた。美誠が自分を訪ねてきたとき、まさに同じピアスをしていたのだ。

彼女はすぐに画面を指差して言った。

「この人、美誠よ」

俊介の目がわずかに鋭くなり、その犯人をじっと見つめた。

犯人は黒いスポーツウェアを着て、野球帽をかぶり、マスクで顔を隠していた。

顔ははっきり映っていなかった。

美誠は背も高く、体格的にも男に見えるほどだった。

俊介は佳奈の肩を軽く叩いて言った。

「美誠なら話は早い。目的は一つ、相続権を手に入れることだ。だから、お父さんを傷つけたりはしないさ」

その推測に少し安心したのか、佳奈の強く握られていた拳が
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