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2.みしょう動物病院③

ผู้เขียน: 鷹槻れん
last update วันที่เผยแพร่: 2026-07-22 05:22:42

「あの、初めてなんですが」

 結局受付女性にニコッと微笑まれて小首を傾かしげられた結葉ゆいはは、慌てて言葉を紡ぐ。

「では……こちらにご記入をお願いします」

 クリップボードに挟まれた書類と一緒にボールペンを手渡された結葉ゆいはは、記入台に移動して空欄を埋めていきながら人間の問診票と大差ないな、と思っていた。

 福助はハムスターだから、ワクチンなどの欄は埋めずに、お迎え日や飼育環境、食べているフード、来院理由など関係のありそうなところだけ埋めて、「これで……大丈夫でしょうか?」と受付女性に手渡す。

 彼女は結葉ゆいはが書いた問診票にひと通り目を通してから「はい、大丈夫です。――では小林さん、空いているお席に掛けてお待ちくださいね」と微笑む。

 結葉ゆいははその言動にホッと胸を撫で下ろすと、福助を抱えて長椅子の空きスペースに腰掛けた。

***

「山本さん、チョコちゃん、第一診察室へお入り下さい」

 診察室内にマイクでもあるのか、スピーカー越しの声が待合室に流れる。

 そういえば先程から第二、第三診察室の患者達も皆、あんな感じで呼ばれていたけれど、第一診察室の先生の声だけが妙に記憶に残るような?と気がついた結葉ゆいはだ。

(これってきっと、すっごく好みの声だからだ)

 そう思って意識して耳をすませてみれば、第二、第三診察室の先生方の声も別に嫌な声ではない。

 第二は女性、第三は男性の声で呼び出しが掛かっていて、その度に第一と同じように各々の診察室へも飼い主と患畜が入れ替わり立ち代わり出入りしていた。

 だけど、やっぱり意識的に全診察室の音を拾おうとしている時でさえ、第一の先生の声は、結葉ゆいはの耳を奪って意識をさらう。

(一体どんな先生なんだろう)

 声がいいと必然的にハンサムなのではないかと思ってしまうのは、人間のさがだろうか。

 ふと見つめた先、第一診察室のドア横に取り付けられた四角い表示プレートには、『診察室1 担当医 御庄偉央』と書かれていた。

(御庄みしょう、偉央いお……かな?)

 それを見て、結葉ゆいはは、『みしょう動物病院』の「みしょう」は「御庄」と書くんだ、とピンと来た。

(ってことは第一診察室の先生が院長先生?)

 母美鳥みどりが、『みしょう動物病院』の獣医師は、若い先生だと言っていたのを思い出して、もしかして母が言っていたのは第三診察室の声の主かしら?とか思ってしまう。

 声の感じからすると、第三の先生の方が第一の落ち着いた雰囲気の響きを持つ声の主より、若干若い気がした結葉ゆいはだ。

 とはいえ、第一の御庄みしょう先生も、中年男性な印象ではない声の張りで、どう考えてもせいぜい壮年といったところ。

(どの道お若いことに変わりはないよね)

 まだお顔を拝見したわけではないし、いくつぐらいの先生かは声からの、結葉ゆいはの自由気ままな憶測でしかないけれど、あの感じからするときっと30代そこそこだと思う。

 そんな若さでこんな大きな病院を切り盛りできるなんてすごいなぁと、手持ち無沙汰なのをいいことに、想像力豊かに勝手にあれこれ思い浮かべて感心してみたり。

 そんなアレコレを夢想しながら見つめた第一診察室のプレートの空きスペース――担当医の文字の上――には、ハムスターとウサギとフェレットのシルエットが描かれていた。

 目を凝らしてみれば、第二、第三にも同じ種類の札が付いていて。

 だけど各々担当医の文字上の生き物が、第二は小鳥とトカゲ、第三は犬と猫……とデザインが違っていることに気がついた。

 そう認識して見ると、各診察室に呼ばれて入っていく患者達が連れている生き物が、ほぼ室名札のシルエット通りに見えてきて。

(もしかして……先生方ひとりひとり、得意分野の生き物が違うってことなのかな?)

 考えてみれば、人間は身体の部位ごとに眼科、内科、皮膚科、耳鼻科など専門分野が分かれている。

 獣医師はこれらを総合的にこなし、なおかつ診る対象も種類がバラバラなのだから大変に違いない。

 こんな風に得意な生き物ごとに担当医が設けられていても、何ら不思議ではない気がした結葉ゆいはだ。

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ความคิดเห็น (1)
goodnovel comment avatar
ハムハム
あああああ! やはり獣医さんが結葉ちゃんの旦那さんになる人だー。 ソワソワ
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