Share

28.初めての夜⑨

Penulis: 鷹槻れん
last update Tanggal publikasi: 2026-09-11 02:02:57

「俺も……ずっと結葉ゆいはのこと好きだけどな。……お前こそ知らなかっただろ」

 極力何でもない風を装って告げたけれど、そうの心臓は、口から飛び出しそうなぐらいバクバクいっていた。

***

(びっくりしたぁ〜っ)

 いきなりそうから「好き」だのなんだの言われた結葉ゆいはは、思わず呼吸をするのを忘れてしまうぐらい驚かされてしまった。

 確かにそうは幼い頃から、それこそ今日こんにちに至るまでずっと、結葉ゆいはにとことん甘々で優しかったけれど、それは実妹いもうとせりに対しても同様で。

 大きくなってからも変わらず〝妹扱い〟されていると感じていた結葉ゆいはは、そうへの恋心を持て余した結果、そうのそういう言動に異性扱いされていないと感じて切なくなったりしていたのだ。

 なのに――。

「もぉ、そうちゃんったらぁ! そんな素振りちっともなかったの
Lanjutkan membaca buku ini secara gratis
Pindai kode untuk mengunduh Aplikasi
Bab Terkunci

Bab terbaru

  • 結婚相手を間違えました〜従順妻はヤンデレ執着夫の重すぎる溺愛から逃げ出したい〜   29. 公宣からの提案②

     寝起きでいつもより声が低めな想が、目をこすりながら「結葉ぁ。もう起きてたのか? ……おはよぉ」とあくび混じりに朝の挨拶をしてきた。 結葉もそんな想に笑顔で「おはよう」と返す。「めちゃくちゃ美味そうな匂いしてんだけど……朝食作ってくれたの? 結葉、無理してねぇか? ちゃんと寝れたか?」 想は心配そうに眉根を寄せながら台所に立つ結葉のそばにくると、結葉の頭越し、キッチンに置いた皿の中を覗き込んだ。「わー、何これ。すげぇ!」 何だかよく分からないけど、そう思ってくれたらしい。「ごめんね。冷蔵庫の中のもの、勝手に使っちゃった」 結葉が申し訳なさそうに言ったら、「全然構わねぇよ。っていうか、結葉。お前マジすげぇな」って。「想ちゃん、さっきから〝すげぇ〟しか言ってないね」 結葉がクスクス笑ったら、想が鼻の頭を掻きながら照れ臭そうに「いや、だって……ホントすげぇから」とつぶやく。 結葉は寝起きでまだ少しぽやっとしている想に、「褒めてくれて有難う」と素直にお礼を言うことにした。  そこで、トースターのチンという音がして。  まるでそのタイミングに合わせたみたいに火にかけたヤカンがシュンシュン鳴って、お湯が沸いた旨を伝えてくる。 結葉が火を止めながらトースターをチラリと見て、「あ。パン皿」とつぶやいたら、想がすぐさま百均の買い物袋の中から皿の包みを解いてくれて、何も言わずに洗ってくれる。「想ちゃん、有難う」 結葉が思わず言ったら、「俺も食うんだ。作ってもらった恩義もあるし、礼には及ばねぇよ」とニヤリと笑う。 パン皿を洗い終えた想が、スッと手を伸ばしてシンク横上方のタオル掛けから白い布巾を手にしたのを見て、結葉は(あれが食器拭き用の……)と思った。 結葉は、|想《そ

  • 結婚相手を間違えました〜従順妻はヤンデレ執着夫の重すぎる溺愛から逃げ出したい〜   29. 公宣からの提案①

     結局あの後あれこれ話している間にいつの間にか眠ってしまっていた二人だ。 とは言え、結構な夜更かしをしてしまったことに変わりはない。 結葉は眠い目をこすりながらまだ眠っている想の横をそぉーっとすり抜けるようにして寝室を出た。(想ちゃん、寝顔変わってないなぁ) ほんの少し半目になっていると言ったら、想は気にするだろうか。 そんなことを思いながら少しまくれていた想の布団を綺麗にかけ直す。 (冷蔵庫、何があるかな) 食材を一緒に買いに行ったわけじゃないから、この家の冷蔵庫事情が分からない結葉だ。 そもそも昨夕も結局想が寿司を買ってきてくれたから、何も作ったりしなかった。(お世話になってるんだし、ご飯ぐらいは) 結葉はそう思って台所に向かったのだけれど。(わ〜。見事に材料がほとんどないっ) あるのは牛乳と卵が二個、それからウィンナーが一袋。 フードストッカーに芽の出かけたじゃがいもが三個。 米櫃を開けてみたら、お米も空っぽで。 ふと冷蔵庫の上を見たら、五枚切りの食パンが三枚入った袋が置かれていたから、それを使おうかなと思う。(想ちゃん、普段何食べてるのっ?) 一八〇センチもあるあの大きな身体を維持するのには、結構たくさん燃料が要りそうに思えるのだけれど。 ふと視線を転じた先、ゴミ箱にコンビニ弁当の空容器などがワチャッと捨てられているのを見つけて、そう言うことなのかな、と思って。(もぉ、体調崩しちゃうよ) 結葉は今更のように想の健康が心配になった。 とりあえず自分がいる間は想に手作りのものを沢山食べてもらおう、と思った結葉だ。(口に合うかどうかは分かんないけど) 少なくとも偉央は結葉が作るご飯に文句を言

  • 結婚相手を間違えました〜従順妻はヤンデレ執着夫の重すぎる溺愛から逃げ出したい〜   28.初めての夜⑨

    「俺も……ずっと結葉のこと好きだけどな。……お前こそ知らなかっただろ」  極力何でもない風を装って告げたけれど、想の心臓は、口から飛び出しそうなぐらいバクバクいっていた。 *** (びっくりしたぁ〜っ) いきなり想から「好き」だのなんだの言われた結葉は、思わず呼吸をするのを忘れてしまうぐらい驚かされてしまった。 確かに想は幼い頃から、それこそ今日に至るまでずっと、結葉にとことん甘々で優しかったけれど、それは実妹の芹に対しても同様で。 大きくなってからも変わらず〝妹扱い〟されていると感じていた結葉は、想への恋心を持て余した結果、想のそういう言動に異性扱いされていないと感じて切なくなったりしていたのだ。 なのに――。 「もぉ、想ちゃんったらぁ! そんな素振りちっともなかったのに……。冗談が過ぎるよぅ! 危うく信じそうになっちゃったじゃない」 きっと、結葉が緊張のあまり変なことを言ってしまったから、想もそれに合わせてくれただけなのだ。(ちょっぴり変な間があいちゃったけど、ちゃんと冗談として受け止めたよって感じで返せたかな?)  薄暗がりの中。 自分はベッドの上。  想はそれより三十センチ以上低い床の上にいるから、きっとドギマギしてしまっている結葉の表情は見えないと思う。 思うけれど、何だか恥ずかしくて布団を額の辺りまで引き上げてしまった結葉だ。  一応自分の恋心は偉央との出会いをキッカケに一旦ひと区切りつけたよと言うつもりで、「好きだった」と告げた結葉だったけれど、想の方はまるで現在進行形ででもあるかのように「好き」表現だったことにも結葉はソワソワさせられている。 偉央とのこともまだ片付いていないというのに、元

  • 結婚相手を間違えました〜従順妻はヤンデレ執着夫の重すぎる溺愛から逃げ出したい〜   28.初めての夜⑧

     静かにしているとお互いの吐息と壁掛け時計の秒針の音、それからキッチンの方から微かに聞こえる冷蔵庫のモーター音がやけに大きく聞こえてきて、こんなにこの部屋って色んな音してたんだな、と想は今更のように気付かされる。 下手したら自分の鼓動の音が結葉に聞こえてしまうんじゃないかと内心ドキドキの想だ。 だけど、〝鎮まれ、鎮まれ〟と意識すればするほど、心臓がうるさく騒ぎ立てる悪循環で。「ねぇ、想ちゃん。もう……寝ちゃった?」 だから結葉にポソポソとささやくような声音で話しかけられたとき、心臓が口から飛び出てしまいそうなくらいびっくりしてしまった想だ。 さすがに表には出さないように頑張ったつもりだけれど、「いいや」と応えた声が、自分でもやけに上ずっているように感じられて。(結葉は俺の今の声、変に思っていないだろうか) そんなことを思いつつ、「久々にお前と寝てるからかな。興奮してなかなか寝付けねぇわ」 努めて平常心を心掛けてそんなことを言ってみる。 「わぁ〜。想ちゃんも? 実は私も……なの」 結葉がゴソゴソと動く衣擦れの音がして。  彼女が寝返りを打って、自分の方を向いた気配を感じた。 想は自分だけが結葉に背を向けているのもおかしい気がして、一度だけ心の中でスーハースーハーと大きく深呼吸をすると、そそくさと結葉の方へ向き直る。 そうしてみて、ベッドの段差のお陰で向かい合う形になってもお互いの顔がよく見えないのが有難いな、と思った想だ。 これが横並びに布団を敷いて、だったりしたらと考えたら、それだけでザワザワと胸の奥が騒いだ。(昔は同じ布団に入って寝たこともあるっちゅーのにな) 想は子供の頃の無邪気な自分に戻れ、と頭の中で必死に念じた。 今はどうしても結葉を異性として意識してしまっていけない。

  • 結婚相手を間違えました〜従順妻はヤンデレ執着夫の重すぎる溺愛から逃げ出したい〜   28.初めての夜⑦

     結葉が今からそれに向けて歩んでいかないといけないというのなら、自分に出来る範囲で彼女をサポートしたいと思った想だ。 (話し合いの結果、もし結葉が旦那とよりを戻すことになったとしても……) そうなって欲しくないと心の片隅で望む自分がいるのは確かだけれど、そこはグッと抑え込んで考えないことにした。「あの、有難う、想ちゃん。……私、寝耳に水で……まだ色々飲み込めてないけど……ちゃんと考えてみるね」 結葉がニコッと笑った顔が、どう考えても自分を気遣ってくれているようにしか思えなくて、想は胸の奥がギュッと苦しくなる。「俺の前では……取り繕わなくていいから」 言って、そっと結葉の頭を撫でてやったら、結葉が微かに身体を震わせて。 うつむいた結葉の手元に、ポトリと涙が落ちるのが見えた。 結葉は肩を小さく震わせて静かにポロポロと涙を落とし続ける。 想は、何も言わずにそんな結葉をそっと腕の中に抱き寄せた。 *** 「ごめんね、想ちゃ。遅く……なっちゃった」  結葉は想の腕の中で静かに静かに泣き続けて……。 一時間経つか経たないかの頃、やっと泣くのをやめて、そうつぶやいた。 涙に泣き濡れた顔を隠すこともせず真っ直ぐ想を見上げると、 「一杯泣いたら少しスッキリした。――想ちゃん、黙って泣かせてくれて有難う。ずっと胸を貸してくれて有難う」 言って、今度こそ心の底からの笑顔を想に向けてくれる。「こんな胸で良ければいつでも」 照れ隠し。  想はちょっとだけ結葉から視線をそらせるようにして、わざと軽口を叩いて見せる。 「うん」 結葉は想に短く一言そう返すと、

  • 結婚相手を間違えました〜従順妻はヤンデレ執着夫の重すぎる溺愛から逃げ出したい〜   28.初めての夜⑥

     もぬけのカラになった部屋を見た時、結葉に逃げて欲しいと思っていた自分を押さえつけるようにして、嘘であってくれと泣き叫ぶ自分が強く出てしまって、気が付けば取り乱すように結葉の影を追い求めてしまっていた。 だけど――。  置き去りにされたバスタオルとキッズ携帯を見た時、偉央の中でやっと――。 答えが出せた気がしたのだ。  偉央はいつかこう言う日が来た時のために、と仕舞っておいたものをいつも持ち歩いているカバンから取り出した。 山波想に約束した通り、これを彼宛に送らねばならない。 この心が揺らがないうちに――。 *** 「――それ、本当?」 想の言葉がにわかには信じられなくて、結葉は想をじっと見詰めた。  発した声が震えていたのは気のせいじゃない。 「ああ、お前の旦那から直接言われたから間違いねぇよ」 そんな結葉に小さく吐息を落とすと、想はスッと居住まいを正した。 そうして結葉を真っ正面から見据えると、「俺、お前のこと、御庄さんから頼まれたんだ」と明言してきて。 その言葉に、結葉は「え……?」と思わず想を見上げてしまう。「お前、ほとんど何も持たずに出たはずだから……必要なものを揃えてやってくれって。金も出すからって……。すげぇ真剣に頼まれた」 そこで想は結葉からフイッと視線をそらせると、「金に関しては即行で断ったけど……多分引き下がってはくれないだろうなって思う」とこぼした。「な……んで?」 結葉は言葉を発するたび、自分の声が震えているのが分かったけれど、どうしようもなくて。  小刻みに震える手をギュッと力を込めて押さえ込もうとする。 「近いうちにな、うちの会社の方にお前の旦那から……その……

Bab Lainnya
Jelajahi dan baca novel bagus secara gratis
Akses gratis ke berbagai novel bagus di aplikasi GoodNovel. Unduh buku yang kamu suka dan baca di mana saja & kapan saja.
Baca buku gratis di Aplikasi
Pindai kode untuk membaca di Aplikasi
DMCA.com Protection Status