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第168話

Auteur: 霜晨月
last update Date de publication: 2026-06-29 22:19:34

鳴瀬颯斗、男、二十六歳、ゲイ。

生まれてこのかた一度も恋人がいたことのない独身男として過ごしてきたこの二十数年、バレンタインデーだろうがクリスマスだろうが、彼には縁のないものだった。

しかし、今年のバレンタインデーは例年とは違う。なぜなら、これはおそらく練と関係を確定させてから、共に過ごす初めての記念すべき祝祭日だからだ。

関係を確定させたことについて言えば、実は颯斗の心の中にはまだ少し疑念があった。

二人がいつから一緒になったのか、それは颯斗自身にもよく分かっていない。

彼と練は互いに「愛している」という言葉を交わしたこともなければ、具体的なきっかけとなる時点を思い出すことさえできない。

ただ、いつの間にか、うやむやなまま一緒にいるようになったのだ。

颯斗の印象では、恋愛とは儀式感に満ちた

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