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第715話

Author: 青葉凛
その後、州と紫音はそのまま病室に残り、両親の傍で静かな時間を過ごした。

思えば、家族四人が揃ってこんな風に心から笑い合い、腹を割って本音を語り合うのは、本当に久しぶりのことだった。

特に母の琴音は、目に見えて嬉しそうな様子だった。最愛の息子がこうして顔を見せ、穏やかに言葉を交わしてくれている。今の彼女にとっては、それだけで十分すぎるほど満たされていたのだ。

ここ最近の母と息子は、顔を合わせれば有加里のことで激しい言い争いになり、琴音はどうにかして自分の意見を押し通そうと意固地になってばかりいた。

しかし今となっては、そんなわだかまりは嘘のように消え去っていた。

琴音自身も、親として子供の人生に過干渉になりすぎていたと深く反省していたのだ。

息子も娘も、とっくに親の保護を必要としない立派な大人だ。

彼らが選んだ道を信じ、その決断を静かに見守り受け入れることこそが、今の自分たち親にできる唯一のことなのだと。

「さあさあ、せっかくこうして家族四人が揃ったんだ。湿っぽい話はもう終わりにしよう」

隆之介が、少し照れくさそうに、けれど心からの喜びを滲ませた声で空気を変えた。

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