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第14話 アルティシア姫…アルティシア姫のお願い
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2025-04-22 19:32:19
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羽琴の姫君…羽琴をつま弾く哀しき姫の願いと流転する悲劇の果て2 第39話 ティナの羽とサウナ
「エリンシア様、いつもの薬湯でございますそれから、しばらく温泉地などで療養はいかがでしょうか？」薬師が心配そうに言うがエリンシアは微笑して首を横に振る。都を離れる事は王が許可しない、許すはずもない…。アーサーの妻にはなったが、巨人族にとっては本来、魔法が使えない種族である巨人族に血が混ざる事により、僅かであるが、魔法が扱える子孫を与える存在の種族のエリンシア逃亡の恐れのある離れた療養地など、当然ながら許すはずもなかったのだ。「エリンシア様、では、良い設備の小さなサウナでも作りましょうか？」使用人の一人が心配そうにエリンシアに問いかけた。「……」屋敷にサウナなどを持つ者達も少なからず居る。当然ながら、裕福な者達だが冬の長い地である、此処は作物の為に温室は多くあるが…其れらの温室の装置を増設して、サウナの動力源とする事が多い共同浴場ではサは良く設置されている。サウナの増設の費用もだが動力源はマキなどか、火の魔法の石を使う事になる。動力源は…この地では高価なものエリンシアの膝に甘えている自分の子供のティナを見る。「あ〜ま、ママ」まだ、たどたどしいが、話しだすティナこの冬の地の者であるアーサーと暖かな温暖な地の者であるエリンシアの子供気候の厳しい冬の地でエリンシアの体質を受け継いでいるならば幼い身体ゆえに、ティナにもサウナはあった方が良いだろうエリンシアの独断、判断でなく本来、高価なサウナについては夫のアーサーに相談しなくてはならないのだが…廻りの勧めで小さなサウナを作る事にしたのだった。しばらく後に出来上がりのサウナにエリンシアとティナが入る。思った以上の快適さに心地よさにほっとため息が漏れだすエリンシア「きや、きや」楽しいそうにティナは転げ回ってたが小さな背中が淡く光を放ちティナの背中には純白の愛らしい白い羽が！そう、エリンシアの子供なのだ。しかし、王に知られたら、ティナの羽はエリンシアの羽と同じように切り落とされる可能性、危険性があった
羽琴の姫君…羽琴をつま弾く哀しき姫の願いと流転する悲劇の果て2 第38話 リュース公達
「戦局はこちらが、かなり、有利ですねリュース公」「ええ、黒の国の滅亡後も味方してくれた黒の貴族に民達」「アーシュ様、アーシュラン王子様も前線で戦を戦われていますから」味方の黒の貴族達、騎士達との軍議中のリュース公「御息女のアルティシア姫様も活躍されてます」「有難うございます、私の自慢の娘ですよ」◇ ◇ ◇黒の国…リュース公の湖畔の城此処は山に谷、森に囲まれ天然の要塞ともなっており、黒の国解放の為の基地ともなっている。豊かな領地を二つ所有しているリュース公、700年前の黒の女王から贈り物の領地は豊かで軍資金にも人材にも恵まれ、それゆえに黒の国の大半を占領した巨人族と巨人族と繋がる黒の貴族達とも、対等に戦っていた。◇ ◇ ◇「お父様」「アル、私のアルティシア姫、おかえり」リュース公は戻ったばかりのアルティシア戦装束のアルティシア姫を抱きしめる。「成果は？」「アーシュ様の活躍に、皆の働きで、大成功よ」「それは良かった」「でも、幾つか手強い地域があるから、其処はまだ時間がかかりそう」「其処は予想通りですね」「巨人族の国に潜入したタルベリィ様からの連絡は？お父様？」「巨人族の動向の幾つかに、黒の民の救出の成果はありますよ」「良かったわアーシュラン王子様、アーシュ様も喜ぶわ」「探している二人の行方は…消息不明です、私のアルティシア、アル」「そうなのね、お父様」「ティ、ティンタル王女…エリンシア姫」アルティシア姫は寂し気に二人の名前を呟く。
羽琴の姫君…羽琴をつま弾く哀しき姫の願いと流転する悲劇の果て2 第37話 魔法画の白鳥たち
ある日の事だった。「え？」エリンシアは突然の事で驚き、目を見開く巨大族の城に有るはずの魔法画魔法画の幻想の生き物たち「白鳥に赤い子供の竜？何故、此処に？」 エリンシアの家の窓辺、二匹は外に居てエリンシアの家を覗き込んでいた。「あ、あ〜」嬉しいそうに白鳥に赤い子供の竜を見てエリンシアの赤ん坊、ティナが笑い、揺りかごの中から手を伸ばす二匹の魔法画の幻想の生き物たちは互いの顔を見合わせた後壁をすり抜けて、家に入って来たのだった。驚くエリンシアそのエリンシアの身体に幻想の生き物、白鳥や赤い子供の竜は…自身の身体を擦り寄せたり赤ん坊の顔を覗き込んだりする二匹微笑んで、エリンシアは自分が焼いたクッキー、焼き菓子に林檎のパイを二匹に差し出す。すると、嬉しそうに食べだす二匹幻想の魔法画の生き物たち、白鳥はあの懐かしい歌を歌い出し、曲に合わせて、グルグルと赤い子供の竜は空中で舞い踊る。赤ん坊のティナは本当に嬉しそうに楽しそうにまた、キャ、キャと笑うのだった。楽しい時間は過ぎて、魔法の力を使い過ぎたのか二匹の魔法画、幻想の生き物たちはゆっくりと薄くなり消え去った。時折、数カ月に一度、彼らはやって来ては幼いエリンシアの子供ティナの良い遊び相手となったのだった。
羽琴の姫君…羽琴をつま弾く哀しき姫の願いと流転する悲劇の果て2 第36話 白の国での会話劇
「黒の国では、処刑から逃れた、黒の王子が巨人族から国を取り戻す為に戦争中か、リアン殿」「そうらしいね、レグルス」エリンシア姫から貰った大切な小さな竪琴の手入れをしながら、リアンが答えた。白の城の一室、窓は庭園に繋がり、緑の中で小鳥の囀りに噴水の水音「軍事学校から久しぶりに戻れたけど、エイルは留守」「残念だったなリアン殿」「まぁね、仕方ないさ」リアン◇ ◇ ◇「黒の王子とはリアン殿とエイル殿は大変、仲が良かったから、心配だろうね」「特にエイルがね…本当に仲が良かったから」「それに黒の国へ人質となりに行ったエリンシア姫の行方も…黒の王都陥落から、行方不明のままだから」深いため息に視線を落とすリアン「白の国に訪れた事がある黒の国の臣下タルベリィ殿にリュース公からの便りがあったようだが、行方不明の王女ティンタル姫共に捜索中だそうだ」「エリンシア姫が無事に見つかると良いが、白の宗主はエリンシア姫の生死は興味が無いらしい、エイルもエイルの父王も心配している」暗い哀しみに満ちた表情のリアン「…黒の王達の首は晒されたが、死んだはずの王妃の身体に首から下の王達の身体は巨人族に仕える魔法使いが実験用に持ち去ったようだ」その話を聞きながら、レグルスは焼き菓子を口にする「これ、随分、焦げて、ま、不味い」レグルスの様子に気がつかずに「赤い…火焔の世代の次に強力な魔法の使い手の黄金の瞳の王、長年、戦って戦上手て戦慣れしている王がほぼ一夜の攻撃で破れ去った」「魔法使いは結界魔法で王の魔法を防ぎ、能力を半減させ、兵士達には強力な魔法剣を用意したようだ」「突然、巨人族の王の元に現れた強力な魔法使いか…あ、レグルス、エイルが焼いてくれた焼き菓子だけど、必ずお腹を下すから、食べないでね、しばらくトイレのお世話になるよ、別に菓子はあるから！あれ？」「お、お、お、遅すぎるわ〜な、な、な、なんて、凶悪な菓子た！」
羽琴の姫君…羽琴をつま弾く哀しき姫の願いと流転する悲劇の果て2 第35話 探す者達
「今は、我々の支配下にある豊穣と魔法の王国、黒の国で戦が多発しているらしい」「あの豊かな常春の王国か…」雪深い巨人族の王都に、街に村までもその話題が盛んに話されている。「黒の国から連れて来た奴隷達の逃亡が多発しているとか？」「黒の魔力を持つ娘との間の子供は魔力を持つから、高値で取引されているから、雇い主に奴隷商人らはお怒りだ」「魔法で呪縛した黒の国の兵士達の逃亡も多発している」街の酒場の一角フードを被った旅の商人達が食事をしている。その中には１人の小男が居た。「巨人族の食材は、豊かな黒の国と比べ多くはないが、なかなか悪くなく、美味ですね、この煮込み料理はまた食べてみたいですよ」「そのようですね、タルベリィ様」「今夜、東の街の奴隷商人に囚われている黒の貴族の女性達に、売られた三人の娘達を助け出して、黒の国へ」「奴隷兵士となっている者達40人を魔法の拘束から解放、逃がしました」「南の村では奴隷の買い取り出来て、送り返したが、他にも情報はあるかな？」「行方不明のティンタル王女、白の国のエリンシア姫の行方は分からないままです」「そうか、予想はしていたが」「巨人族の動向も、探らねばならぬ」「先日、黒の国のリュース公様からの便りが…」「何か動きが？」「はい」白の国の処刑から逃れ、黒の国奪還の為にリュース公と共に動かれているアーシュラン王子様が…」「魔法の魔具で、心を封じられた竜人セルト殿を解放されたようです！それにセルト殿の義理の妹姫も助けられたとか」「あの竜人セルト殿か！」「しかし、セルト殿の意識がなかったとはいえ、前の黒の王アージェント様、王妃アリアン様の殺害に関与され、リュース公の城の一つを陥落、部下達に被害が出たのでリュース公はあまり、納得されてはいないようです」部下の言葉にタルベリィは言葉を返す。「黒の王子アーシュ様にとっては、神達が定めた王子の守護者、敵側では無く、味方なら頼もしい味方」「黒の国の奪還も加速するだろう」「我々は王女ティンタル様にエリンシア姫様の行方を探し、１人でも多くの黒の国の民を救う事、巨人族の動向を探るのが、今の役目だ」
羽琴の姫君…羽琴をつま弾く哀しき姫の願いと流転する悲劇の果て2 第3４話 赤毛の我が子
「吐き気が続くようだね、エリンシア、薬師の所に行くかい？」恥ずかそうに微笑するエリンシア「え、まさか？」アーサーが目を見開き、エリンシアを見つめる「そうか！懐妊したのかい、エリンシア」それから…しばらく後間もなく、エリンシアは懐妊した事がわかった。だが、しかし、子供の父親は、王なのかアーサーなのか わからないやがて、生まれた、赤毛の子供 アーサーも王も同じ赤毛 「良く、頑張ったねエリンシア、僕らの大事な子供だよ」ベッドの中で生まれた子供を抱きしめるエリンシア「可愛い女の子だ、名前はティナにしょう！良いかいエリンシア」にっこり微笑み、頷くエリンシア◇ ◇ ◇だが、そうアーサーは生まれた子供を我が子として可愛がった。ある雪の日だった。「僕は、王からの命令で黒の国へ行くよ、しばらくの間は留守にするけど、召使い達にも、叔父達にも頼んでおいた」「必ず、戻るよ、大丈夫だから、エリンシア」アーサーは、しばらく後、そう言ってるまた、再び、間者として、黒の国へ旅立った。彼の召使たちに助けられながら赤ん坊を育て アーサーを待つ日々を静かに送るエリンシア赤ん坊のティナは元気にすくすくと育てっていった。「奥様、ティナ様は良く笑う、可愛いらしい女の子ですね」召使い達の言葉に嬉しそうに微笑むエリンシア
