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第3話

Auteur: satomi
last update Dernière mise à jour: 2025-12-29 07:36:05

 いきなりクリスティーン様が登場して「私が日々指導をしていますの。オホホ」とか言いだした。見るからに嘘だと分かったようで(流石に騎士団長殿は誤魔化せない)。

「君の名前は?」

「私ですか?えーっと、シルヴィア=オーウェンズです」

「オーウェンズ侯爵家か……。最近あまりいい噂は聞かないな」

「そうですか……。あとチョットしたら私が爵位を得ますので、そうしたらあの家の者は粛清しますわ」

「君の手腕を楽しみにしている」

 騎士団長殿と握手を交わし、その場は離れた。

 後方支援部隊も復活し、戦には大勝利。何よりも騎士団長殿の復活が大きかった。騎士団長殿が指揮官だから。

「シルヴィア=オーウェンズか。オーウェンズ侯爵家の粛清が楽しみだな」

 この騎士団長、ケヴィン=グリーン公爵家嫡男。シルヴィアのことが気に入ったようだ。

 このわずか数か月後、シルヴィアは正式にオーウェンズ侯爵家の爵位を継承。聖女学校を後にし、久し振りにオーウェンズ侯爵家へと戻って行った。

「なんなの?この荒廃具合は⁇」

 オーウェンズ侯爵家の庭が荒れている。家の中はどうなっているのだろう?

「お久しぶりです。お父様、お義母様、ベラ。侯爵の爵位は正式に私に継承されました。あなた方はオーウェンズ侯爵家にいるのに相応しい人間とは言えません。オーウェンズ侯爵家の人間だと外部で公言されると迷惑です」

「実の父に向って何て言い草だ!」

 お父様は顔を真っ赤にしてそう言い放った。

「実の父?実の娘を家から追い出した方が言うセリフですか?お父様はオーウェンズ侯爵家に婿入りをしていますので、爵位は何も持っていません。悪しからず。

お義母様は元は男爵令嬢だと言っていたそうですね?早々にその家に戻った方が良いかと思いますよ?ベラと共に。私は情に流されたりはしません。この家の窮状を見れば一目瞭然!あ、この家を出て行く時に手荷物チェックを致します。金品などの持ち出しはしないで下さいね」

 お父様は膝から崩れ落ちています。お義母様は「侯爵夫人になれる」って言ったじゃない!とか喚いています。ベラはどうやって金品を持ちだすか思案中でしょうか?コルセットの中に仕込むとかでしょうか?

 そのコルセットもこの家の財産ですので持ち出されると困るんですよね。

 ここに来た時の服で家を出て下さい。成長?知りません。

 さて、使用人ですが…私と面識のある使用人はわずかですね。どうして変化したのでしょうか?面識のある方に聞いてみましょう。

「新しく奥様となられた奥様やベラお嬢様のいう事に逆らうとすぐに解雇されました。それで、庭師なんかも解雇の対象になってしまい、庭が荒れ放題に……」

 なるほどね……あの母娘がこの家でやりたい放題やってくれちゃって、まぁ面倒な。

「端的に言いますと、私とこのオーウェンズ侯爵家に忠誠を誓えないものは解雇対象となります。どのくらいの方が忠誠を誓ってくれるのかしら?」

 8割ってところかしら?まあ上々。残りの2割は迷惑な母娘が解雇した使用人を探し出しましょう。いい方たちばかりだったというのに、人を見る目がないのですね。急務なのは私付きとなる侍女かしら?

 結構な数の侍女達が立候補をしてくれた。給金がいいから。

 迷惑にも程があるわよね。私付きだった侍女達も全員解雇するなんて。

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