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第三十四話:壁……崩壊

Author: 古紫汐桜
last update Last Updated: 2026-02-27 21:16:19

そんなこんなで、私は本来、お二人を見守る“壁”のはずだったのに──

気付けば今や、お二人の“壁”になっているような気がする今日この頃。

一度、実家に戻る提案もしてみたのですが、速攻で却下されました。

きっと、餌付けした子が離れるのが寂しい親の気分なのでしょう。

(何せ、鳩村ママですから)

そんな生活にも慣れてきた頃、事件は起きた。

最近、鳩村課長が実家に呼び出されることが多く、休日は野宮部長と過ごす時間が増えた。

そのたびに、野宮部長は私をいろいろな場所へ連れて行ってくれる。

普段の自分では体験できないような時間を、たくさん。

え? どんな体験かって?

カップルシートでプラネタリウムとか。

豪華クルージングで、夜景を眺めながらの食事とか。

そのたびに野宮麗子様にもお世話になり、大変恐縮しております。

いつの間にか、デート中に肩や腰を抱かれても平気になっていまして……。

で、我に返りそうになると、

「こずえ、俺は?」

「壁が好きな変態さんなんですよね?」

このやり取りが、もはやワンセット。

ある夜、クルージングで真っ暗な海を眺めていると──

「なぁ、こずえ……」

髪に触れられ、甘い声で
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  • 腐女子の私、推しカプのはずの美人上司に抱き枕認定されました。   第三十八話:悩みと憧れ

    今日は麗子様の施術日だ。「貴生、毎月第四日曜日はこずえちゃんを連れて来て」その一言で、私は月に一度、ピカピカに磨かれている。お陰様で身体は引き締まり、鳩村課長の料理で健康体。気付けば10kgも落ちていた。(ゴッドハンド&麗さんの健康食、恐るべし!)鳩村課長は「こずえちゃんのプニプニお腹が~」と嘆いていたけれど、「エアー脂肪で我慢する」と言っていた。(エアー脂肪って、何?)……でも。恋人が出来たのなら。私は、もうお役目御免なのではないだろうか。そう思うと、胸がチクリと痛む。あの夜に見た鳩村課長は、やっぱり夢だったのだと。ガッカリしている自分に、苦笑いしてしまう。すると、いつもは黙々と施術をしている麗子様が、ふと口を開いた。「こずえちゃん、何か悩み?」「え?……あ、いえ」「貴生の母親だと、話しづらい?」そう言われ、言葉を探していると、「大丈夫よ。ここで聞いた話は誰にも言わないから」その一言に背中を押され、私は慎重に言葉を選ぶ。「友達の話なんですけどね……」(バレバレの常套句だ)「なるほどね。実家に帰ると言っていた人が、綺麗な女性と歩いているところを見られた、と。で、その人が彼女ではないかと噂になっている、と」事情を知る麗子様には、当然お見通しだろう。「それで、こずえちゃんはどう思ってるの?」突然振られ、私は正直に答えた。「信じたい気持ちと……もしかしたら、の気持ちで複雑です」「その“複雑”って、何から来ていると思う?」問われ、私は首を傾げる。「ふふふ。まだまだね。その気持ちの意味は、自分で探しなさい」優しく頭を撫でられる。そして静かに言った。「不安なら、本人に聞くのも一つよ。答えを持っているのは、麗だけな

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