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番外編:スキ!が一番良い燃料2

ผู้เขียน: 灰猫さんきち
last update ปรับปรุงล่าสุด: 2025-07-07 16:49:31

 デキムスが再び詠唱を始める。その手に炎が灯った――、いや灯ろうとした瞬間、

「いたっ!?」

 彼は額を抑えてしゃがみ込んだ。詠唱が中断されたために炎も掻き消える。

 クィンタを見ると、ニヤニヤ笑いながら何やら手で弄んでした。

「勝負ありだな。戦場じゃあ毎回ちんたら詠唱している時間があると思うな。そんなだから単純な手に引っかかるんだよ」

「なにをしたんですか?」

 私が問うとクィンタは肩をすくめた。

「小石を投げただけ。クリーンヒットしたら、あんなもんだ」

「小石……」

 デキムスは涙の浮かんだ目でクィンタを見上げる。額がちょっと割れて血が滲んでいた。

 なかなか痛そうだ。あとで光魔法で治してあげよう。

「誰も魔法限定の勝負だとは言ってねえだろ。お前は風が使えるんだから、小石程度は防げたはずだ。食らったのはただの油断、怠慢。はい以上」

「ううう……」

 デキムスはがっくりとうなだれている。

 そんな彼をちらりと見やってクィンタは続けた。

「実力が上がったのは認める。お前が努力したのもな。だからこそあらゆる面に注意を払え。誰かを守りたいんだろ?」

「……クィンタ隊長」

 デキムスが目を上げる。

「俺はお前より強いから、守ってもらう義理はねえが。軍団の仲間でも市民でもいい、守るべき相手は他にいる。もっと経験を積め。今度こそ後悔のないようにな」

 デキムスはクィンタの言葉を噛みしめるように聞いて、ゆっくりとうなずいた。

 それから額の血を拭って立ち上がり、礼の姿勢を取る。

「ご指導ありがとうございました。僕はまだまだ未熟だと実感しました」

「おう。素直なのがお前のいいところだ」

「でも必ずクィンタ隊長に追いつきます! 仲間たちも市民も隊長も、僕が全員守ってみせますから!」

「お、おう」

 詰め寄らんばかりのデキムスにクィンタはだいぶ引いている様子だ。

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