LOGIN俺は近くのバス停まで歩いていく。いつもの時間のバスに乗り込み小さく息を吐いた。
俺の家から学園までバスで2駅。歩いていけない距離じゃない。だけど俺はバスで行く。 特に意味はないけど、ささやかな反抗かもね。両親に対してさ。学園の前でバスが停まり、俺はバスから降りため息をつく。
俺が俺でなくなる瞬間。偽りの
「あっ、蒼樹じゃん」
「織田がいる」 「明日は雨か…」 珍しく月曜日の朝から俺がいるのを見つけたクラスの奴らが言ってくる。 「こいつ曜日、間違えて拗ねてんだよ」 なんて翔太が笑いながら説明してやがる。それが気に入らなくて、俺は思いっきりカバンで背中を殴ってやった。 「いってぇ! 俺のせいじゃねぇだろ!」 翔太が文句を言ってくるが俺は靴を履き替え 「るっせぇ。お前、昨日、教えてくれなかっただろうが」 文句を言ってやる。理不尽な怒りをぶつけてやった。 「ってか昨日お前こっちに来てねぇし」 あっさり言い返された。 「メールぐらいしろよ、それぐらい」 2人で文句を言い合いながら教室に向かう。 「お前、毎朝、携帯のアラームで時間を確認してんだろうが。それで気付けよ」 翔太が反論してくる。うぐっ、いてぇところをついてきやがるこの男。確かに今日はそこまで確認しなかったよ。
「うるせぇ。お前のせいだ」 俺はもう一度文句を言いながら教室に入った。許せ翔太。これは完全に八つ当たりだ。 「あっ、織田がきた」 「今日は雪かぁ」 「霰かもな」 またもやそんなことを言われた。 「るっせぇ! どうせ曜日を間違えたよ!! ちくしょ~!」 ヤケクソにいえばドッと教室の中に笑いが生まれた。 いいんだ、どうせ学園の中じゃ俺はこんなやつだから…。 みんなに合わせてバカをやってるんだ。俺はそのまま自分の席に行き座る。
俺の席は窓側の一番後ろ。サボるのには最高の場所。 俺の前の席が翔太だっていうのはちょっと気に入らねぇけどな。2026/01/21…今更ながら誤字脱字等の修正をしました。
自分の格好なんて構わずに自分のクラスに戻り一目散に翔太に駆け寄り抱きついた。「蒼樹?おまっ…」 翔太は一瞬驚いた声を出したけどすぐに俺の異変に気付いた。 「山根悪い。俺と蒼樹ちょっと生徒会室に行く。事件だ」 翔太は抱き着いたままの俺を軽々抱き上げて山根に告げる。 「わかった」 山根の返事を聞くと翔太は足早に教室を出た。 「殺したのか?」 生徒会室に向かう途中に翔太が聞いてくる。 「殺してない…けど…危なかった…」 俺の言葉にホッと息を吐く。俺は翔太に抱きつく腕に力をこめた。「生徒会に行く前にちょっと寄り道するぞ」 翔太はそういいながら行き先を変える。翔太が来たのは誰も使ってない教室。ここは西棟でも誰も来ない場所。扉に凭れながら床に座り込んで優しく俺を抱きしめてくれる。わかってる俺を落ち着かせるためだって…「やったやつの目的は?」 俺の背中を優しくあやすように叩きながら静かに聞いてくる。わかってるよ。言わなきゃいけないの… 「…拓真絡み…でも…」 翔太のシャツをギュッて握りしめる。 「大丈夫だ。金城にはなんもしねぇよ」 そんな言葉と共に優しく頭を撫でられ額に目元に頬に優しいキスが降りてくる。いつも翔太が俺を落ち着かせてくれる行為。それでも今日の俺には効果がない。翔太もそれをわかってる。それでもそれを今この場所でやるのはこれ以上俺が酷くならないため。 「蒼樹。あいつは今日のことを知れば自分で動く。金城はそういうやつだ。だから俺は動かない。動く必要がない」 優しい音色が耳の奥に流れ込む。少しだけ和らいでいく俺の気分。それでも今の俺には意味がない。翔太もそれをわかってる。だから生徒会に行く前にここに来たんだ。 「あんまり長くここにいるわけにはいかねぇからもう行くぞ」 「…ん…」 判ってる。報告しないといけないもんね。 「大丈夫だ」 翔太の優しい声がもう一度、耳の奥に吹き込まれて額に目元に頬に優しいキスを落され最後に唇に落されるもの凄く優しいキス。子供がじゃれ合うようなキス。俺と翔太の儀式。「おし、行く」 翔太はそう宣言して俺を抱き上げたまま立ち上がり生徒会室に向かうために教室を出た。あぁ、これで全部あの人に知られちゃうんだね…俺の大切な恋は終わっちゃうんだね…あの人にサヨナラしなきゃいけないんだね…やっぱり俺は
「差し入れ」眼の前にオレンジジュースが差し出されて驚いて見れば美咲ちゃんだった。俺はそれを受け取り「ありがとう。みんな、なんか言ってた?」聞いてみる。「働き過ぎだって」美咲ちゃんはそれだけ言うと戻っていった。俺は壁に凭れオレンジジュースを見つめる。「って」突然の痛みに声を上げる。「眉間に皺。なに考えてんだ」翔太が聞いてくる。「オレンジジュース苦手だなぁ~っと…」小さく笑い答える。実際本当のことだし…。ジュースはダメだけどお酒は平気って俺も変だよね。「あぁ、そういえばジュースはダメだったな。変えてやろうか?」翔太も納得して聞き返す。「いいよ。このままで。みんなに悪いからね」俺は一気にそれを飲み干した。「無理しやがって…」翔太は俺の手からコップを取って頭を撫でて戻っていった。「織田、写真いいか?」佐伯が訊いてくる。「ほいほ~い」俺は呼ばれて海馬の方へと戻っていく。どれだけこなしたのかなぁ~??気が遠くなるほど写真を撮りまくってたよ俺?「織田、休憩にいってこい」なんて言われる。「は~い。じゃぁちょっと行ってくる~」俺はそう返事をして教室を出ていく。俺は特に行く場所がないからボーっと歩いてた。ホント俺は別に行く場所がないからダラダラと歩いてた。「先輩ちょっと付き合ってよ」不意に声をかけられて振り返れば見覚えのある顔。拓ちゃん絡みか…。「はいはい。いいけど…」俺はそう返事をして後輩の後についていった。俺が連れてこられたのは誰もいない東棟の教室。ドンっていきなり後ろから押されて勢い余って教室の中に倒れ込む。教室の中には数人の男。あぁ、そういうこと。「男のわりにはキレイじゃん」「上玉じゃん」「だよな」なんて言葉が交わされ押さえ込まれる。はぁ~。俺ってつくづくこういうパターンが多いな。ビリビリと破られていく服。はぁ~めんどくせぇ~「なんか言えよ」「つまんねぇジャン」「怖がってみろよ」あ~あ。今ので完全に変なスイッチ入っちゃったよ俺。「てめぇら邪魔」思いっきり相手を振り解く。「なっ」「てめぇ」「なにしやがる」お決まりのセリフ。俺はゆっくりと立ち上がり「こいよ。相手してやるから」冷たく言い放つ。「貴様!」「舐めんなや!」「くらいやがれ!」男たちは俺に殴りかかってく
本日は晴天。気分は土砂降り。やってられっかぁ~!!!とか思うものの文化祭が始まってしまったわけです。みんな楽しみにしてたね…。 俺はというと…白いセーラー服に身を包み背中まであるストレートのカツラに淡いピンク色のリップ付。 しかもクラス看板にはしっかりと織田蒼樹と写真撮影。1回200円。なんて文字が…逃げてぇ~!マジで逃げてぇ~!!!でもさ、条件反射というものは恐ろしいもので…気づいたときにはもう 「あの…写真いいですか?」 なんて聞かれれば 「は~い。大丈夫だよ~」 なんてニッコリスマイルで答えちゃうわけで…これで何人目よ?海馬が写真部員だからせっせと撮ってるんだけどね。 あぁ、勿論インスタントカメラだからすぐに写真は出来上がるんだよ。だから撮ったらすぐにお客さんにあげられるんだ。 「あの…ついでにオーダーもお願いしてもいいですか?」 なんて聞かれればにっこりスマイルで 「どうぞ~♪」 なんて答えてクラスのやつに受け渡してしまう自分が怖い。いやさ、俺の瞳って蒼じゃない?だからどんなカッコをしてもわかっちゃうわけよ。 それに今日はメガネしてないし。みんなに取られちゃったんだもん。 しかもさ誰が選んだのかこのカツラって蒼色なわけよ。 だから俺だってバレバレじゃん!「あ~!織田せんぱ~い!キレイ!」 「ほんとだぁ~!」 「せんぱ~い。写真いいですかぁ~!」 なんて団体でこられたりね… 「はいはい。一人で?それともみんなで?」 一応聞いてみる。聞かなくてもわかってるけど… 「みんなのとも欲しいけど一人のも欲しぃ!」 「だよねぇ~」 「だよなぁ~」 なんてね。これお決まりのパタ~ン。 「ほいじゃぁ、団体は一人100円で一人は200円で~す」 なんて軽く説明をしてお金を入れるための小さな箱を差し出す。 「はい!了解です!」 なんて返事が返ってきてお金を入れてくれる
「じゃぁ、悪いがまた放課後に頼む」拓ちゃんは俺の頭を撫でて自分のクラスに入っていった。俺たちも自分たちのクラスに入って自分の席に着く。「メガネ変えたのか?」いきなり翔ちゃんに聞かれちゃった。「拓ちゃんがね、俺のヤツつけてんだ。拓ちゃんが俺のためにって拓ちゃんなりのアピール」カバンを置いて椅子に座ってメガネを外してそれを見て答えた。「なるほどな。わかるやつにはわかるからな。それでいいんじゃねぇ?」翔ちゃんが優しく俺を撫でてくれる。「あっ…翔太お前、拓ちゃんになんてメールしたんだよ」ふと思い出して聞けば「ん?いや別に?ただお前が落ち込んでるってメールしただけだぜ」この人はほんとに…きっと俺の状態を全部伝えてんだろうな。「頼むからあんま変なメールするなよ」強くは言わずただ呟いただけ。「言わなきゃ伝わらないことだってあるだろうが。特にお前は隠すんだから。それに言っただろ?あいつは今までのやつらとは違うって…信じろって」翔太は俺の頭を何度も撫でてくれる。翔太の言ってることはわかるんだ。「そうだけどさ…でもさ…やっぱり怖いんだ…」一度味わった恐怖は拭いきれないんだ…「そんなのわかってる。でもあいつは違うそれは信じろ。だからな?少しは素直になってみな?っというか十分素直だよな最近。ただ本当の自分が曝け出せないだけで…」うぅ。痛いところをついてくる。さすが翔太だ。「これでも努力してるんだもん。でもやっぱりストッパーがかかっちゃう。どうしても最後の一歩が踏み出せない。もう少し時間がかかりそう」努力はしてるんだ。本当の自分を見せようって。本当の自分を知ってもらおうって。でも最後の一歩が踏み出せない。怖くて…あの人を失うのが怖くて…「あんま無理すんな。あいつはお前のことホントに待っててくれるから」翔太はそう言ってくれる。翔太じゃなきゃわからない俺。翔太に
pipipipipiいつものように携帯のアラームで目を覚ます。ゴソッと動いて違和感に気付く。あるはずのない温もり。 俺は目を開けてその存在を確かめる。あぁ…やっぱり拓ちゃんだ…俺はその胸にすり寄った。この場所にいるときだけ俺だけのもの…俺だけのものでいられる瞬間…すり寄ったらギュッと抱きしめられた。 「おはよ」 俺は拓ちゃんの胸に顔を埋めたままいえば 「おはよう」 拓ちゃんは抱きしめる腕に少しだけ力を込める。俺…やっぱり拓ちゃんが好き…誰よりも…拓ちゃんが好き…「朝飯、作るか」 拓ちゃんは携帯で時間を確認して言う。 「ん」 俺は小さく頷いた。本当はもっとこうしてたい。でも学校だしね。 拓ちゃんは俺を離すとベッドから降り部屋を出て行った。ほんと…俺が好きでいいのかな?闇を纏う俺が好きでいていいのかな…あなたは太陽のような人なのに…俺は…俺は闇そのもの。ねぇ拓ちゃん…あなたは俺の何を知っているの?あなたは俺のどこまでを知っているの?全部知ってるの?あなたは本当の俺を知っても傍にいてくれるの?俺は拓ちゃんの作ってくれたご飯を食べて二人で一緒に学校に行くために家を出た。いつもなら一人なのに今日は拓ちゃんと一緒…なんか不思議…「バスだけどいい?」 俺は拓ちゃんに聞いてみた。 「あぁ、それでいい」 拓ちゃんはそう返事をしてくれる。 俺たちはバスに乗り込み学校へと向かった。もっと…もっと拓ちゃんの傍にいたい…もっと…傍に…バスに揺られ俺は隣に立ってる拓ちゃんを盗み見る。信じていいのかな…拓ちゃんの言葉…「どうした?」 俺の視線に気が付いた拓ちゃんが訊いてくる。 「ううん、なんでもないよ」 俺はそう誤魔化した。実はさ今、拓ちゃんがつけてるメガネね俺のやつなんだ。俺がつける前に拓ちゃんに取られて掛けられちゃった。 で、俺の方が拓ちゃんのやつ。これさ、拓ちゃんの心遣い。気付くやつは気付くんじゃないのかな?俺と拓ちゃんのメガネが違うの。ホントはすごく嬉しいんだ…たったこれだけのことだけど俺にはすごく嬉しいこと…これだけで幸せを感じられるんだ…バスを降りて溜め息をつく。俺が俺じゃなくなる瞬間。 「行くぞ」 拓ちゃんが声をかけてくるから 「あっ…うん」 俺は返事をして拓ちゃんの後をついていく。門を入っ
「疲れたか?」 不意に訊かれた。 「えっ?ううん。全然。俺が本当に役立ってるのかが疑問なんだけどね」 俺が素直に言えば 「あぁ、あいつらは必要なこと以外は聞かないからな。あいつらが聞くってことはそれで役立ってるんだよ」 拓ちゃんが言う。拓ちゃんもだよね。拓ちゃんも必要なこと以外言わないのは…「そうなんだ」 う~ん、納得いくようないかないような…俺が考え込んでいたらぐしゃぐしゃっと頭を撫でられた。 見上げればすっごく優しい顔で拓ちゃんが微笑んでた。不覚にもドキッと胸が跳ねる。 「苗代からメールもらった。お前が悩んでるって」 ちょっと、翔太!なに余計なことしてんだよ! 「お前はお前のままでいればいい。俺と距離なんか開けなくていい。そんなことされれば俺のがへこむ。それにあいつらの言葉なんか気にするな。俺が本気で傍にいてほしいと思うのは蒼樹、お前だから…」 拓ちゃんがまた頭を撫でる。 「俺でいいの?俺って隠し事してるよ?そんな俺でもいいの?」 不安を胸に聞いてみる。拒まれるのが怖い。 「いつか話してくれるんだろ?だったらそれでいい。俺は蒼樹がいいんだよ。織田蒼樹がな」 拓ちゃんが笑う。ホントこの人どれだけ俺を喜ばすの?どんだけ俺を喜ばす呪文を知ってるの?俺…拓ちゃんの傍にいたい。このままずっと傍にいたい…「ほら、帰るぞ」 そう言って差し出されたのは拓ちゃんの手。俺はいつものようにその手を握りしめる。伝わる温もりが俺を安心させてくれる。それを合図にするようにゆっくりと手を繋いだまま歩き出す。俺たちは手を繋いだまま俺の家まで帰ってきた。「泊まろうかな」 ポツリと拓ちゃんが言い出す。 「えぇ?俺はいいけど大丈夫なの?」 俺が驚いて聞けば拓ちゃんが少し考え 「決めた。泊まる。明日、教科書を貸してくれ」 はっきり言いきった。そりゃさ、もっと拓ちゃんと一緒にいたいって思ったけどさ驚きですよ。 「それぐらいいいけどさ…まぁいいや…」 俺は玄関の鍵を開る。なんだか拓ちゃんが家に泊まるのが違和感なくなってきた気がする。俺が扉を開ければ拓ちゃんはいつものようにあがって俺の部屋へと向かう。 俺も玄関の鍵を閉めて拓ちゃんの後を追う様に自分の部屋に向かった。部屋に入れば拓ちゃんがブレザーを脱ぎネクタイを外してた。ついでにメガネ
結局、まともに授業なんか受けないまま、また授業の終わりを告げる音が響いた。やっぱり先生はさっさと出ていく。こんなもんだけどね。「蒼樹、飯食いに行ってくるけど大丈夫か?」 翔太が振り返り訊いてくる。俺が戻ってくるって思わなかったんだろうね。 「ん、大丈夫。行ってきていいよ」 小さく笑って答えれば 「さっきは悪かったな。じゃぁ、いってくる」 俺の頭を一撫でして他のやつらと教室を出ていった。さて、俺はどうしますかね…とりあえず立ち上がり財布の中から小銭を出して教室を出た。「うげ!お茶が売り切れ…。まぁいいか、コーヒーにしよ」 自動販売機の前に来てお茶を買おうとしたら売り切れのラ
side蒼樹翔ちゃんが出ていって凄く気まずい。怒りに任せて俺、絶対に変なこと言っちゃったよ。「蒼樹」 っ、訊くのが怖い。 「な…なに?」 でも訊かなきゃダメだよね。 「そんな顔するなって…なぁ、消毒してくれないか?」 突然そんなことを言われて 「へっ?」 間抜けな声が出た。消毒ってなに?キョトンとした顔で見てたら 「これ、消毒してくれないか?」 拓ちゃんは制服の襟元を肌蹴させ俺に見せた。 「っっ、翔太のヤロ~!!ぶっ殺す!!」 くそ、なんで拓ちゃんの首にキスマークなんかつけたんだよあいつ! 「蒼樹、してくれないか?」 いつの間にか俺の傍に来た拓ちゃんが俺の腰に
side拓真夜の公園で一人でいる蒼華に声をかけたあの日から俺は大きな罪を背負った。それは決して消すことのできぬ罪。タブーを犯した俺が決して逃げることのできぬ罪。それでいいと思った。ずっと見続けてきた蒼華の崩壊の姿を…あの姿をもう見たくなくて俺のこの手で止めることができたのならと思い続けて…俺はあの日、大罪を背負う決心をした。蒼華と接触をすればZEAに俺の情報が行くことはわかっていた。だからあえて隠すことはしなかった。ZEAの頭である苗代には俺の気持ちは既に伝えてあったから…。まだ俺がGoldWolfの頭であったあの時に俺は苗代に頭を下げてまで蒼華の…織田蒼樹のすべてを知りたか
「あいつは…お前がGoldWolfの前頭だったって知らねぇよ。俺も話してねぇし、そんな情報は今のあいつには必要ねぇからな。今のあいつに欲しいのは金城の愛だけだから…金城の気持ちだけだからさ」 これも事実。蒼樹が一番欲しいのは…一番手に入れたいのは金城自身。金城から与えられる愛情。あいつはそれを今、必死になって欲しがってる。でも本当の自分を曝け出す勇気がなくて身動きが取れなくなってる。 「あいつ…俺が本当のあいつの姿を知ってるのまだ知らないんだろ?」 金城が思い出したように聞いて来る。 「あぁ、知らねぇよ。俺が教えることでもねぇし。あいつが自分でお前に見せなきゃ意味がねぇだろ?」 肩