Beranda / BL / 血と束縛と / 第13話(16)

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第13話(16)

Penulis: 北川とも
last update Tanggal publikasi: 2026-01-17 20:00:29

「そうなんです。佐伯先生と一緒だといろいろ奢ってくれるから、俺がよく誘うんですよ。就職活動中のフリーターには、ありがたくて」

 咄嗟の機転は千尋のほうが上だと、内心で和彦は感心する。和彦はまったく気が回らなかったスーツ姿の理由まで、違和感なく説明してしまった。

 千尋にさりげなく腕を小突かれた和彦は、深く追究される前に澤村に問いかけた。

「どうしてここに? 用があるんじゃなかったのか」

 この瞬間、澤村の視線が落ち着きなく動く。必死に言い訳を〈探して〉いるのだと、和彦は思った。

「あー、駐車場に行こうとして、家にハンカチを忘れたのを思い出したんだ。それで、ついでだからお前と一緒の店で買おうかと思って、追いかけてきたら――」

 千尋がいたというわけだ。

 気まずい空気が三人の間に流れ、和彦はどう会話を続けようかと悩む。すると、空気を読んだのか、澤村は片手を上げた。

「じゃあ、俺はこれで。急いで行かないといけないんだ」

 言葉通り、澤村はハンカチ一枚を素早く選んで買い求めると、もう一度和彦たちに
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  • 血と束縛と   第30話(7)

    ** 寝顔だけは無邪気すぎるほどなのだが、と心の中で嘆息した和彦は、隣で眠っている千尋の顔をまじまじと眺める。和彦を貪りつくして満足したのか、大きなあくびを二度、三度としたかと思うと、あっという間に寝息を立て始めたのだ。 無防備な姿を見ていると、自分の部屋に戻れと叩き起こす気にもなれない。 和彦は、千尋の茶色の髪をそっと撫でてから、Tシャツの上から肩に触れる。行為の最中も、千尋は決してTシャツを脱ぎ捨てることはなかったため、背に一体どんな刺青が彫られつつあるのか、片鱗をうかがい知ることすらできなかった。 今の状態の千尋なら、Tシャツを少し捲ったところで気づかないかもしれないが、それはそれで千尋のプライドを傷つけそうでもあり、疼きそうになる好奇心は抑えておく。 和彦は慎重に起き上がると、肌掛け布団を千尋の体にかけてやる。ドロドロに汚れた状態で眠るわけにもいかず、簡単にシャワーを浴びてこようと、浴衣を引き寄せて着込む。さすがに、枕元に丸まっていた帯を解いていたときは、顔が熱くなった。 覚束ない足取りで寝室を出た和彦は、ギョッとして立ち竦む。「――……帰って、いたのか……」 ようやく和彦が声を発すると、悠然と座椅子に座っている賢吾が、ニヤリと笑いかけてくる。「俺の部屋だからな」 これは当てこすりだなと、さすがに和彦でもわかる。しかも、かなりこちらの分は悪い。襖を開けたままにしていたため、すべての声も、衣擦れの音すら聞かれていただろう。 賢吾がいつからいたのかは知らないが、布団に横になっていると、隣室の座卓はまったく視界に入らないため、気づかなかった。物音でも立ててくれたなら、和彦よりも鋭い千尋が反応していたはずだが、その様子がなかったということは、賢吾もあえて、気配を殺していたということだ。 いろいろと言いたいことはあったが、ここで賢吾を責めては、完全に八つ当たりだ。 よほど苦い顔をしていたらしく、賢吾が機嫌を取るように、和彦に向かって優しい仕種で手招きする。仕方なく和彦は歩み寄り、賢吾の傍らに座り込んだ。「俺の部屋で、俺の息

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  • 血と束縛と   第3話(5)

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  • 血と束縛と   第3話(6)

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