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第23話(31)

Author: 北川とも
last update publish date: 2026-04-06 11:00:26

 守光の発した穏やかな声に我に返り、和彦は慌てて手を動かす。何度となく賢吾や三田村の刺青を撫でているというのに、浴衣を通してとはいえ守光の刺青に触れるのは、ひどく抵抗がある。恐れ多い、という感覚があるのだ。

 その気持ちを抑えつけ、守光の腰や背だけではなく、肩も揉んでいく。意外な力仕事に、風呂上がりということもあって和彦の肌は汗ばみ、息が弾む。

「なかなか、体力がいるだろう。やり方を覚えて、賢吾にもしてやるといい。きっと喜ぶ」

「そうですね――」

 前触れもなく守光が身じろぎ、体を起こす。何事かと思ったとき、和彦は腕を掴まれて引っ張られ、咄嗟に守光の肩に手を置いた。この瞬間、自分の本来の役目を果たすときがきたのだと悟った。

 長嶺守光の〈オンナ〉としての役目を。

 室内をぼんやりと照らす明かりは、守光の端整な顔に、昼間とはまったく違う表情を造り出す。静かだが、凄みを帯びた眼差しに見つめられ、漠然と和彦は感じた。世代は違えど、抱えた欲望の激しさは、賢吾とまったく同じだと。

 総和会会長という肩書きを持っていながら
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